診療部・中央部門等のご紹介
診療部・中央部門等のご紹介

臨床工学技術課

 

当課について

医療の進歩に伴い、病院内では高度な医療機器が数多く使用されるようになり、それら機器に対応するため臨床工学技士は誕生しました。
臨床工学技士は1987年に制定された比較的新しい医療系の国家資格で、生命維持管理装置と呼ばれる医療機器をはじめとした数々の医療機器の操作と保守管理などの業務を担当しています。
当院の臨床工学技士は臨床工学部と医療技術部臨床工学技術課に所属することとなり、現在は約20名の技士が日勤と宿直体制にて勤務しています。
2006年に部署が本格稼働してから今日まで、年々業務拡大を行っており、手術室・心臓カテーテル室・集中治療部・血液浄化部などで医師や看護師と協働し、チームとして業務を担っています。
 

理念・目標

当課は理念として、「世界トップレベルの医療を支える医療機器のプロフェッショナル集団として、良質で安全な治療支援を行う」を掲げており、「世界トップレベルの医療を地域へ」という当院の理念を支える部署でありたいという思いを込めています。
また、その理念を遂行するための目標として、当課では、「専門性の向上」「業務改善」「チームの意識」という3つの価値を設定しています。これは、臨床工学技士として患者様・地域医療へどのように貢献し、我々が成長するのかを具体的に表現したものです。
 

教育とキャリア形成について

臨床工学技士は専門職であり、専門的スキルを磨くためには各々の志向に合わせた業務に従事する事が大切と考えています。
人員配置は、個々の業務に対する技士それぞれの志向を面談によって調査し、成果や部門内の状況等も考慮しながら配置を決定します。そのため各技士によって担当業務は異なり、「総合的に循環器疾患へ対応できる」・「長期的視点で患者様と関わる」・「手術部での業務を中心とする」・「急性期業務に特化する」など、個々に合わせたキャリアの形成を目標としています。
新入職員には、臨床工学技士として安定した業務量があると見込まれる業務の習得を最初の目標としてもらいますが、同時に機器管理業務によって院内医療機器の操作や特徴を幅広く習得していき、それらと並行して全ての業務を経験してそれぞれの志向を少しずつ明らかにしていきます。
その後、2年目から各々のキャリア形成をスタートさせます。
新入職員教育はメンター制度を導入しており、メンター(教育担当)がメンティー(新入職員)とペアになり、目標設定・進捗管理・指導や助言・周辺との調整などを行います。業務のスムーズな習得はもちろんのこと、初めての独り暮らしの不安解消や社会人としての基礎力形成も目的としています。
また、学術活動に興味のあるスタッフには演題発表・論文執筆経験のある先輩技士がサポートし、各種所属学会での活動を目標とする事もできますし、大学院進学を希望するスタッフには業務上のバックアップも行い、本学大学院への進学実績もあります。
 
 
 

認定・学位等

認定・学位等 人 数
日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会認定
3学会合同呼吸療法認定士
7
日本心血管インターベンション治療学会認定
心血管インターベンション技師
6
日本人工臓器学会・日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会・日本体外循環技術医学会認定
体外循環技術認定士
5
日本生体医工学会・日本医療機器学会
臨床ME専門認定士
3
臨床検査技師 3
日本不整脈心電学会認定
植込み型心臓デバイス認定士
1
日本人工臓器学会・日本胸部外科学会・日本心臓血管外科学会・日本体外循環技術医 学会
・日本臨床補助人工心臓研究会認定
人工心臓管理技術認定士(小児体外式)
1
日本腎臓学会・日本泌尿器科学会・日本人工臓器学会・日本移植学会・日本透析医学会認定
透析技術認定士
1
日本アフェレシス学会認定
日本アフェレシス学会認定技士
1
日本臨床工学技士会認定
不整脈治療専門臨床工学技士
1
日本不整脈心電学会認定
ペースメーカICD関連情報担当者
1
医科学修士(MMS) 1
経営管理修士(MBA) 1
 

各業務について

補助循環

主に集中治療部で、VA-ECMO・VV-ECMO・Impella・IABPなど各種補助循環の操作と管理を行います。カニューレなど各種デバイスの選択や灌流量などの管理に関して積極的な提案を行い、安全かつ適切な使用を目的とした使用中点検も行っています。
 

血液浄化

血液浄化部で、入院患者様を対象とした血液透析・血液濾過透析を行うほか、集中治療部での血液透析も行います。浄化量・ダイアライザの選択などについての提案を行っています。
 

急性血液浄化

主に集中治療部で、CRRT(持続腎代替療法)・DHP(直接血液灌流)・PE(血漿交換療法)などの血液浄化を新生児・小児も含めた症例に行います。使用中点検をはじめとして、ヘモフィルタや浄化量・浄化モードなどの提案を行います。
 

特殊血液浄化

血液浄化部において、血漿交換療法・DFPP(二重濾過血漿交換)・IAPP(免疫吸着)・GCAP(顆粒球除去)・CART(腹水濾過濃縮)などの特殊血液浄化を行っています。浄化量をはじめとした各種設定についての提案も行います。
 

人工呼吸管理

人工呼吸器ラウンドにより使用中点検を行いますが、使用開始時も含め、必要時にはグラフィックモニタも含めたアセスメントを行い、患者様の状態に合わせた設定や離脱の提案をします。
 

消化器内視鏡

内視鏡を用いた検査や治療の補助、および内視鏡の洗浄を行っています。また、ICUや手術部での出張内視鏡や、夜間・休日の緊急内視鏡にも対応しています。
 

CIEDs

CIEDs全般の植込み術において、患者様に合わせたデバイスの選択および設定の提案を行います。
その後のフォローアップでは、遠隔モニタリングを併用して円滑な外来検査とともに異常の早期発見に努めています。
 

カテーテルアブレーション

電気生理検査に用いられるスティムレータ操作や心内心電図の解析などを行います。
3Dマッピングシステムを用いて治療ストラテジーを医師らと組み立てながら、関連地域から集まる様々な症例にあたっています。
 

カテーテルインターベンション

心臓カテーテル検査ならびに治療において、各種デバイス選択の介助や血管内画像診断機器・ポリグラフ等の操作を行います。また、上下肢の末梢血管内治療や肺動脈形成術も積極的に行なっています。
 

人工心肺

成人および小児心臓血管外科手術において、心臓と肺の機能を代替する人工心肺装置と周辺機器を操作します。心臓外科医・麻酔科医・看護師と協働し、高度で安全な人工心肺管理を心掛けています。
 

ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室で施行されるTEVAR・EVAR(大動脈ステントグラフト内挿術)では、清潔野での術野介助・デバイスの準備等を行います。TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)では人工弁のセッティングやVA-ECMOなど補助循環の操作・管理を行います。
 

ロボット補助下手術

ロボット補助下手術において、機器のセッティングやロールイン・ロールアウト、トラブルシューティングなどを行います。
新規導入症例では、機器配置や配線を考え、医師や看護師と共にシミュレーションを行い決定します。
 

手術部ME

手術部内の医療機器のセッティングやトラブルシューティング、経食道エコーや気管支ファイバーの洗浄や保守管理、消耗品の管理などを行い、各機器が安全かつ適切に運用できるようにサポートしています。
 

機器管理

6000台程度の各種医療機器を中央管理し、使用前後点検・定期的・修理・消耗品管理などを外部委託スタッフと協働して行っており、中央管理機器は策定された点検計画と項目に沿って安全性が担保されています。また、医療機器の進歩は高度医療の実現に不可欠ですので、最新医療機器の動向や院内の要望を加味して、機器の選定や購入も行います。安全性情報については紙媒体などを用いて院内全体へ発信します。
 

院内研修

入職後の研修医・新人看護師に対する初期研修や、病棟別に人工心肺・補助循環・人工呼吸器・除細動器・ペースメーカなどについて、研修会を開催しています。
 

見学・実習について

病院実習を希望される養成校および病院見学を希望される方は、下記までご連絡下さい。
  連絡先: 臨床工学技士長 畑中 y-hata☆koto.kpu-m.ac.jp (☆を@に変えて下さい)
 

その他

当課で設定した「専門性の向上」「業務改善」「チームの意識」という3つの価値とともに各業務ならびに個々での様々な活動を行います。臨床での治療に関する提案や機器や器材の選定、部署内での勉強会なども行い、組織と個人の両方が成長する事を目指しています。
 

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