循環器内科
循環器内科の紹介
当科では、①狭心症や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症のカテーテルインターベンション、②不整脈疾患へのカテーテルアブレーションやペースメーカー、除細動器の植え込み、③心不全症例に対して適切な薬物的治療、デバイス植え込みやリハビリテーションなどを含めたチームによる集学的治療、④構造的心疾患(大動脈弁狭窄症、大動脈弁人工弁不全、僧帽弁閉鎖不全症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、慢性血栓塞栓性肺高血圧症 など)に対してのカテーテル治療、⑤慢性重症下肢虚血に対しての再生医療などを中心として経験豊富な充実したスタッフで一般的な循環器診療から最新の先端医療まで幅広く行っています。
診療内容
我が国の死因別死亡率の平成25年の統計ではがん28.8%についで心疾患は15.5%を占め、単独の臓器としての循環器疾患はとても多いことがわかります。高齢化に伴って動脈硬化や老化と関連した疾患が増え、高血圧や糖尿病、脂質異常症などを背景として狭心症や心筋梗塞が発症してきます。また、心筋梗塞や弁膜症、心筋症などを背景として心不全へ移行していきます。再発を繰り返す心不全は予後不良で非常に治療も難渋します。我々の科では下記のような診療を主としておこなっておりご紹介いたします。
- 高血圧や脂質異常、糖尿病に対する管理 ご近所のかかりつけ医とも連携して適切な治療を継続していただくようにすることが重要と考えています。
- 狭心症や心筋梗塞への治療 急性心筋梗塞や冠動脈の狭窄(狭心症)の治療を救急の受け入れ態勢を整え、看護師、技師ともチーム医療で治療にあたっています。また、心臓血管外科とも協議して最善の治療方針を検討し治療内容を決定しています。年間200例を超える冠動脈インターベンションを行っています。
- 不整脈疾患への治療の進歩 動悸発作に対する心筋焼灼(カテーテルアブレーション)、ペースメーカや除細動器の植え込みや最適な薬物治療を行っています。
- 心不全への集学的治療、チーム医療 最適な薬物治療の調整、両室ペーシング、睡眠時無呼吸のチェックや酸素療法、また心臓リハビリテーションや栄養指導を含め幅広い視点からメディカルスタッフを含めたチーム医療を行い、きめの細やかな治療を行っています。
- いわゆる構造的心疾患に対するカテーテル治療を各分野で積極的に行っています。大動脈弁に対する経皮的大動脈弁留置術、僧帽弁に対する経皮的僧帽弁クリップ術、心房中隔欠損に対する経皮的閉鎖術、慢性血栓塞栓性肺高血圧に対するバルーン拡張術などです。小児科と協同で成人の動脈管開存症に対するカテーテル治療も行っています。さらには脳塞栓の予防目的の卵円孔閉鎖術や左心耳閉鎖術が近い将来保険診療として実施できる見込みです。
- 慢性下肢虚血に対するカテーテル治療、再生医療 間欠性跛行という歩行時の下肢の痛みを訴える下肢の動脈疾患に対してカテーテル治療や、中でも潰瘍ができたりする重症な方に対しての再生医療を2003年から行っています。
- 高齢者の大動脈弁狭窄症に対して、カテーテルによる治療(TAVI)は、年間100例以上実施しています。
心臓や血管の病は容易に治らないものも多く、長い経過を見ていく必要があるものもあります。患者さんには何かと不安が増すことも多いですが、当科では医師・看護師・技師がチームとして治療にあたっており、循環器センター(外来)や高度心臓血管センター(入院)で心臓血管外科と連携して最善の治療を安心して受けていただけるようにしています。このようなさまざまな先端医療を、最新の知見を生かしてスタッフ全員で協力し、患者さん・ご家族と相談しつつ、それぞれの状態に応じた診断と治療を進めています。
特色・主な取組
前述したような先端医療を行い、毎年、冠動脈インターベンションは約250例、カテーテルアブレーションは約170例、植え込みデバイス関連手術も約110例、下肢動脈のインターベンションは約90例、心房中隔欠損閉鎖術は約35例、肺動脈拡張術20セッション、血管再生医療20-30例、心臓リハビリテーションも年間4000件を超える実施をしています。心臓血管外科と定期的(週一回程度)に症例検討会をもち症例の方針を決定しています。また、多くの関連病院のスタッフとともに急性心筋梗塞や心不全治療のさらなる改善に取り組んでいます。
スタッフ紹介
職 名 | 氏 名 | 専門分野、学会認定等 |
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部 長 | 的場 聖明 | 循環器専門医、内科学会指導医 |
副部長 | 全 完 | 循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医、日本心血管インターベンション学会指導医 |
主 任 | 矢西 賢次 | 循環器専門医、総合内科専門医、日本心血管インターベンション学会指導医 |
医 員 | 中村 猛 | 循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医、日本心血管インターベンション学会専門医 |
医 員 | 白石 裕一 |
循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医、不整脈専門医 植込み型除細動器・ペーシングによる心不全治療研修修了 |
医 員 | 山野 哲弘 | 循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医、超音波専門医、周術期経食道心エコー認定医 |
医 員 | 星野 温 |
循環器専門医、総合内科専門医
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医 員 | 中西 直彦 | 循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医、日本心血管インターベンション学会認定医 |
医 員 | 山野 倫代 | 循環器専門医、総合内科専門医、超音波専門医、
周術期経食道心エコー認定医、SHD心エコー図認証医 |
医 員 | 妹尾 恵太郎 | 循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医、不整脈専門医 植込み型除細動器・ペーシングによる心不全治療研修修了 |
医 員 | 木谷 友哉 |
循環器専門医、総合内科専門医 |
医 員 | 津端 英雄 | 循環器専門医、総合内科専門医 |
医 員 | 平尾 木綿 | 循環器専門医、総合内科専門医、不整脈専門医 |
医 員 | 日野 智博 | 循環器専門医、内科認定医 |
医 員 | 彌重 匡輝 | 循環器専門医、内科認定医 |
医 員 | 前田 遼太朗 | 循環器専門医、総合内科専門医 |
医 員 | 藤本 智貴 | 循環器専門医 |
客 員 | 小原 幸 | 循環器専門医、内科学会指導医、総合内科専門医 |
研究へのご協力のお願い(オプトアウト)
当科では下記の通り、京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を受けた研究を行っております。
これらの研究への協力を希望されない場合、もしくは内容にご不明な点がある場合は、各研究の担当者へお知らせ下さい。
研究課題名 | |
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No. 001 | |
No. 002 | わが国の腎臓病患者における腎生検データベース構築ならびに総合データベース構築に関する研究 |
No. 003 | 日本における成人先天性心疾患患者の通院状況に関する調査(多施設共同後ろ向き観察研究) |
No. 004 | 流体力学を用いた慢性血栓塞栓性肺高血圧症の発症・進展機序解明 |
No. 005 | |
No. 006 | 深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制に対するリバーロキサバンの有効性及び安全性に関する登録観察研究 |
No. 007 | NIRS-IVUSを用いた、経皮的冠動脈インターベンション施行時における高速回転冠動脈アテレクトミーによるslow flow発生予測因子の検討 |
No. 008 | PCSK9阻害薬使用実態調査 |
No. 009 | 急性心筋梗塞に併発する心破裂の実態調査 |
No. 010 | 大動脈弁狭窄症患者に対する経カテーテル的大動脈弁置換術施行後の心疾患イベント発生予測における術前腎機能評価の有用性に関する検討 |
No. 011 | ジギタリス製剤の非アルコール性脂肪性肝疾患予防効果の検討 |
No. 012 | 京都府立医科大学附属病院関連施設における急性冠症候群の実態調査 |
No. 013 | カテーテルアブレーション全国症例登録研究[J-AB 2022] |