診療部・中央部門等のご紹介
診療部・中央部門等のご紹介

小児科

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小児科の紹介

小児の一般疾患はもちろんのこと、神経、代謝・内分泌、腫瘍、血液、アレルギー、免疫・膠原病、循環器、腎臓、周産期診療部NICUと、幅広く取り組んでいます。同時に各専門家が「疾患だけをみる」ことのないよう、患者である小児を一番に考え、一人の人間として全人的にみることを心がけ、小児疾患の診断治療・健康管理を行っています。

診療内容

■神経グループ
神経外来では、てんかんを中心とした発作性疾患の診療に特に力を入れています。乳児期から青年期までの幅広い年齢の患者さんに対応が可能で、日本てんかん学会認定のてんかん専門医が診療を行っております。てんかん患者さんの症状は人により様々ですが、正確な病型診断をすることにより、必要最小限の投薬で発作を抑制できるように心がけています。また、近年は様々な小児神経疾患の診断に遺伝子解析などの手法が用いられるようになっています。遺伝に関する相談にもわかりやすく説明することを心がけています。
■代謝・内分泌グループ
成長ホルモンの分泌が低下する下垂体疾患、ターナー症候群や軟骨異栄養症などの特異な成長障害を専門に診療しています。頚部超音波を用いた甲状腺疾患の診療、副腎疾患・尿崩症の診断治療を行っています。糖尿病・高血圧・脂肪肝炎・高脂血症の予防のため小児肥満に対して栄養指導・運動指導を行います。1型糖尿病を含む小児糖尿病も当科で治療中です。新生児マススクリーニングの精査治療機関として、先天代謝異常の診断と治療を行います。性分化異常症については、関連する診療科や連携医療機関と連携して診療を進めます。
■腫瘍グループ
神経芽腫・腎芽腫・肝芽腫・脳腫瘍・横紋筋肉腫や骨肉腫といった骨軟部腫瘍などあらゆる部位や組織の診断・治療が難しい固形腫瘍患児に対して、最適な治療が行えるよう、小児外科、整形外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、脳神経外科、放射線科等とカンファレンス(キャンサーボード)を持ちながら、集学的治療を行っています。患者年齢層は0歳から若年成人、いわゆるAYA(Adolescent and Young Adult)世代までカバーして診療を行っています。さらに緩和医療、教育、心理サポートなど多様な方向から多種職と協力し、子どもたちの発達へも配慮した医療を行っています。以前は難治性であった腫瘍患者も強度と精度の高い治療により完治できるようになった半面、成長を含めた内分泌学的な問題、二次がんなどへの対応がますます重要になっています。当科では1990年代からいち早く長期フォローアップカルテ「10年カルテ」を導入しており、長期フォローアップの体制も万全です。神経芽腫、横紋筋肉腫、腎芽腫、肝芽腫といった各疾患の全国スタディグループでは、当教室の複数のスタッフが化学療法やプロトコールの責任者を務めており、全国の小児がん臨床試験をリードした最先端の治療を行っています。
■血液グループ
急性リンパ性白血病(ALL)や悪性リンパ腫などのリンパ系悪性疾患、急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)などの骨髄系悪性疾患およびランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、血球貪食症候群(HPS/HLH)等の組織球性疾患を含むすべての造血器腫瘍について、全国共同治療研究(JPLSG臨床研究)に参加しています。また、非血縁骨髄および臍帯血移植を含むあらゆる造血細胞移植に対応し、血縁HLA不一致移植にも積極的に取り組んでおり、白血病特異的な遺伝子解析やHLAフロー法を用いた移植後残存病変の評価を導入し、きめの細かい管理を行っています。このほか、再生不良性貧血や先天性溶血性貧血、免疫不全症、好中球減少症、血小板減少症、血友病などの良性血液疾患の診療も行っています。
■免疫・膠原病グループ
当院では全国的に少ないリウマチ学会指導医・専門医資格をもつ医師による専門のクリニックを設け、自己免疫疾患・膠原病・炎症性腸疾患・肺疾患・原発性免疫不全症をはじめとした免疫疾患の診療を行っています。地域の医療機関と連携しながら、不明熱や関節痛の検査から生物学的製剤を用いた先端的医療まで幅広く対応しています。
■アレルギーグループ
食物アレルギー、気管支喘息、アトピー皮膚炎などのアレルギー児の診療を行っています。近年、食物アレルギーに対する社会的な関心が高くなり、その診断における食物経口負荷試験の重要性が認識されています。当科では、食物経口負荷試験により、除去食の根拠となる原因食物の同定、除去食の解除のための耐性獲得の診断を行い、さらには摂取可能量や誘発症状を確認することで除去・制限範囲を決定し、できる限り摂食を進めています。また、こどもが安心・安全に過すことができるよう、行政と協力し保育所、幼稚園、学校への説明、研修を行うとともに、アナフィラキシーのリスクをもつ患児に対してはアドレナリン自己注射薬処方、救急受け入れなど緊急時にも対応できる体制をとっています。
■周産期診療部NICU
NICUでは、病的新生児や早産児・低出生体重児(出生体重1000g未満を含む)を24時間体制で受け入れています。先天性心疾患、消化管奇形、頭蓋内の疾患など染色体異常を含む基礎疾患を有するお子さんに対しては、小児心臓血管外科、小児外科、脳神経外科などの関連各科と連携を行い、出生後から速やかに治療を開始しています。超低出生体重児の急性期の管理は進歩し、予後も改善しました。最新医療機器、呼吸・循環・栄養管理の進歩、熟練したスタッフによる出生後の適切なケアにより、「後遺症なき生存」を目標に治療にあたっています。先天性疾患における外科的治療を含めた高度医療を行うことにより、あらたに医療的ケアを必要とするお子さんの在宅支援も行っています。様々な職種が関わることにより自宅での生活の質が向上できるよう、医療面と生活支援面からサポートいたします。NICU退院児のフォローアップは、乳児外来に定期的に受診していただいています。神経学的異常の早期発見と育児支援を目的とし、必要時には発達のサポートを京都府下の療育施設と連携して行います。また、1500g未満で出生したお子さんには学童期まで発達検査を行い、成長を見守っています。
循環器グループ
現在、先天性心疾患に関する治療、管理は大きく変わりつつあります。胎児期より超音波検査にて心臓病を発見し、産科、小児心臓外科、集中治療科と連携をとりながら、出産直後から管理・治療に対応しております。
毎朝開かれるベッドサイド・カンファレンスや毎週開催される合同のカンファレンス・症例検討会では、一人一人の患者さんに対しそれぞれの見地から専門的で高度な意見が活発に交わされ、基本的な治療方針が決まっていきます。このような共同診療体制とともに、新生児および小児専用の集中治療・周術管理施設の活用によって先天性心疾患においては世界的にもトップクラスの治療成績をあげています。そして、遠隔診断を用いて、近畿圏はもちろん全国から患者さんを受け入れています。
また、重症度が高い複雑心奇形の子ども達が、診断・治療の進歩に伴い、その多くが成人できるようになってきました。そういった成人後の先天性心疾患患者さんを、大学附属病院という特性をいかして、循環器内科と提携しながら管理しております。
このように、現在の先天性心疾患の治療・管理は、出生前から始まり、新生児期、乳幼児期、学童期、成人期、老人期に至るまで必要となっております。当科ではさまざまな部門(小児心臓外科、小児集中治療科、循環器内科、産科、看護師などのコメディカル)と連携をとり、心臓病の子ども達に最善の治療を提供することを目標としております。
外来ではレントゲン、心電図、心エコー検査を行い、初診の方でもその日の内に診断、治療方針を決定しています。運動負荷心電図・24時間心電図による不整脈診断・治療、心臓カテーテル(治療も含む)、CT、MRIなどの画像検査を実施し、その実績は全国的にも有数な施設となっています。また、立ちくらみや胸痛に代表されるような自律神経機能異常の診療も行っています。
川崎病グループ
川崎病は原因不明の急性熱性疾患であり、年間患者数は約15,000人と増加の一途を辿っています。適切な急性期治療を行っても冠動脈後遺症を合併する患者さんが一定の割合で存在し、重症例では心筋梗塞を併発する場合があり、慎重な外来管理が必要となります。
当科では、川崎病の病因解明、血管障害評価、および動脈硬化進展機序解明の研究成果に伴う独自の長期管理システムを提唱しており、患者様や関係病院からの診療相談窓口を設置して治療成績の向上に貢献しています。川崎病の遠隔期では、冠動脈病変における動脈硬化性変化の早期発見が極めて重要であり、血管内皮機能検査(FMD)、頸部血管エコー、血清脂質・脂肪酸分画測定によりスクリーニングを行い、治療選択を行っています。
腎泌尿器疾患
腎炎、ネフローゼ症候群などの小児腎疾患に対し、腎生検を含めた診断・治療を行っています。慢性腎不全の患児に対しては持続携行式腹膜透析による管理や、移植外科との連携により、腎移植、血液透析などを行っています。先天性腎尿路奇形を有する患児や尿路感染症の患児に対しても、小児泌尿器科との連携により外科的、内科的管理を行っています。

スタッフ紹介

職 名 氏 名 専門分野、学会認定等
部 長 家原 知子 小児科学、小児腫瘍、血液、ICD、日本小児科学会専門医、日本小児血液・がん学会専門医・指導医、
日本がん治療認定医・暫定教育医、インフェクションコントロールドクター(ICD)認定医、
日本がん検診診断学会認定医
副部長 秋岡 親司 小児科学、免疫・膠原病、日本小児科学会専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医・指導医、
日本アレルギー学会専門医
医 員 森本 昌史 小児科学、小児神経、てんかん、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、
日本てんかん学会専門医・指導医
医 員 今村 俊彦

小児科学、小児腫瘍、血液、移植、日本小児科学会専門医、
日本小児血液・がん学会専門医・指導医、日本血液学会専門医・指導医、
日本造血細胞移植学会認定医、移植調整医師

医 員 土屋 邦彦

小児科学、小児腫瘍、小児アレルギー、日本小児科学会専門医、日本がん治療認定医、
日本小児血液・がん学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医

医 員 大曽根 眞也 小児科学、小児腫瘍、血液、移植、アレルギー、日本小児科学会専門医・指導医、
日本小児血液・がん学会専門医・指導医、日本血液学会専門医・指導医、
日本がん治療認定医、日本造血細胞移植学会認定医、移植調整医師
医 員 池田 和幸 小児科学、小児循環器、川﨑病、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児循環器学会専門医
医 員 千代延 友裕 小児科学、小児神経、てんかん、遺伝学、日本小児科学会専門医、
日本小児神経学会専門医、日本てんかん学会専門医・指導医、臨床遺伝専門医・指導医
医 員 柳生 茂希 小児科学、小児腫瘍、日本小児科学会専門医・指導医、日本がん治療認定医
医 員 森 潤

小児科学、先天代謝異常、内分泌、日本小児科学会専門医・指導医、
日本内分泌学会専門医・指導医(小児科)、日本小児栄養消化器肝臓学会認定医

医 員 宮地 充 小児科学、小児腫瘍、血液、日本小児科学会専門医、日本小児血液・がん学会専門医・指導医、
日本がん治療認定医、日本血液学会専門医、造血細胞移植認定医
医 員 梶山 葉 小児科学、循環器、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医
医 員 河井 容子 小児科学、小児循環器、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児循環器学会専門医
医 員 長谷川 龍志 小児科学、新生児、小児神経、日本小児科学会専門医、小児神経専門医、
日本周産期・新生児医学会専門医・指導医(新生児)
医 員 戸澤 雄紀 小児科学、小児神経、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医、日本てんかん学会専門医
医 員 橋口 加名栄 小児科学、新生児、日本小児科学会専門医、日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医
医 員 吉田 秀樹 小児科学、小児腫瘍、血液、日本小児科学会専門医、日本血液学会専門医
医 員 森元 英周 小児科学、内分泌、新生児、日本小児科学会専門医、日本周産期・新生児医学会専門医(新生児)
医 員 瑞木 匡 小児科学、新生児、小児神経、日本小児科学会専門医、日本周産期・新生児医学会 周産期(新生児)専門医、
日本小児神経学会専門医
医 員 中川 由美 小児科学、循環器、日本小児科学会専門医
医 員 西川 幸佑 小児科学、循環器、日本小児科学会専門医
医 員 中島 久和 小児科学、先天代謝異常、内分泌、日本小児科学会専門医・指導医、臨床遺伝専門医
医 員 中川 憲夫 小児科学、免疫・膠原病、日本小児科学会専門医
医 員 細井 創 小児科学、小児腫瘍、日本小児科学会専門医、
日本小児血液・がん学会暫定指導医、日本がん治療認定医・暫定教育医
医 員 糸井 利幸

小児科学、小児循環器、日本小児科学会専門医、日本循環器学会専門医、日本小児循環器学会専門医、
日本医師会認定産業医

医 員 平井 清 小児科学、小児神経、日本小児科学会専門医、小児神経専門医
医 員 青山 三智子 小児科学、小児アレルギー、日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医
医 員 森元 真梨子 小児科学、小児アレルギー、日本小児科学会専門医
医 員 菱谷 隆 小児科学、小児循環器、日本小児科学会専門医、日本小児循環器学会専門医
医 員 東道 伸二郎 小児科学、血液、日本小児科学会専門医
医 員 西田 眞佐志 小児科学、小児腎臓、日本小児科学会専門医・指導医、日本腎臓学会専門医・指導医
医 員 西村 陽

小児科学、小児神経、てんかん、頭痛、日本小児科学会専門医、日本小児神経学会専門医、
日本頭痛学会認定頭痛専門医・指導医、国際頭痛学会Headache Master、
日本てんかん学会専門医・指導医

医 員 小坂 喜太郎 小児科学、内分泌、新生児、日本小児科学会専門医、日本内分泌学会専門医(小児科)、
日本周産期・新生児医学会専門医(新生児)
医 員 久保 裕 小児科学、免疫膠原病、日本小児科学会専門医

研究へのご協力のお願い(オプトアウト)

当科では下記の通り、京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を受けた研究を行っております。
これらの研究への協力を希望されない場合、もしくは内容にご不明な点がある場合は、各研究の担当者へお知らせ下さい。
 
  研究課題名
No. 001 小児血液腫瘍性疾患を対象とした二次がん発症に関するケースコントロール研究
No. 002 ミトコンドリア病関連腎疾患の全国調査
No. 003 20歳未満に発症する血液疾患と小児がんに関する疫学研究
No. 004 小児妊孕性温存治療体制の構築に関する研究
No. 005 原発性免疫不全症に対する同種造血細胞移植における移植後早期死亡に関する研究
No. 006 小児白血病研究会(JACLS)参加施設における小児血液腫瘍性疾患を対象にした前方視的疫学研究
No. 007 小児緩和医療提供体制の構築に関する研究
No. 008 療養中の高校生の同時双方向遠隔教育体制の構築に関する研究
No. 009 肺血流増加型心疾患合併18トリソミー児に対する、心臓姑息術の生命予後改善およびQOL(生活の質)向上に関する後ろ向きコホート研究
No. 010 小児症例に対する内視鏡診断・治療の有効性と安全性に関する前向き・後向き検討調査
No. 011 小児・若年成人Ph染色体陽性ALLに対する同種造血細胞移植の成績
No. 012 抗がん剤治療を行った小児がん患者における心室拡張能障害の評価
No. 013 日本先天性心疾患インターベンション学会レジストリー(JCIC-R)登録
No. 014 小児白血病研究会(JACLS)ALL-02プロトコールで2008年までに治療を受けた小児急性リンパ性白血病(ALL)患者における肥満と、薬剤量変更が予後や有害事象に及ぼす影響に関する後方視的検討
No. 015 神経芽腫マススクリーニング休止後の神経芽腫発生状況に関する調査
No. 016 若年性皮膚筋炎・若年性多発筋炎における筋炎特異抗体、肺病理および胸部CT所見の検討
No. 017 周産期母子医療センターネットワークの構築に関する研究
No. 018 MRI・拡散強調画像を用いた中枢神経病変ハイリスク児の画像解析と神経学的予後予測
No. 019 京都小児てんかんコホート研究 PECK
No. 020 がん共通抗原を標的とした、がん予防ワクチンのデザイン及びTCR-T細胞療法の開発のための免疫組織化学的解析
No. 021 新生児における非侵襲的な脳灌流評価法の確立
No. 022 小児急性骨髄性白血病を対象とした複数回移植の予後因子に関する研究
No. 023 小児急性骨髄性白血病を対象とした複数回移植症例における緩和的アプローチに関する研究
No. 024 急性骨髄性白血病および骨髄増殖性疾患におけるALK/ROS1融合遺伝子の臨床的意義の検討
No. 025 小児喘息重症度分布と治療の経年推移に関する多機関調査
No. 026 日本における腎ラブドイド腫瘍の診療および予後の実態調査
No. 027 血友病患者におけるスポーツ実施状況に関するアンケート調査へのご協力のお願い
No. 028 小児造血幹細胞移植患者の肝限局性結節性過形成の長期経過について
No. 029 小児急性リンパ性白血病における同種移植後の非感染性呼吸器合併症の実態調査
No. 030 臍帯血移植直後の合併症に関する調査へのご協力のお願い
No. 031 京都府における拡大新生児スクリーニングの有用性の検討

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