整形外科
診療科の紹介
われわれ「整形外科」は、運動器を扱う専門家です。「運動器って何?」という方も多いと思いますが、姿勢を保ち自在に動かす役割をする骨、関節、脊椎、筋肉、靱帯、神経などを指します。簡単に言うと、体を動かす役割の全てです。運動器が弱くなると普段の生活でも転びやすくなり、この状態をロコモティブシンドローム(ロコモ)といいます。転倒して骨折などを起こすと、介護が必要となることもあるため、大きな問題になっています。このロコモにならないための予防活動として、「運動器の10年」を全国の整形外科で推進しています。われわれ整形外科は、運動器の予防から治療までの全てに積極的にかかわっています。
診療内容
■関節外科
関節外科では、上肢(肩~手)と下肢(股~足)の関節の治療を行います。上肢は肩関節、手・末梢神経クリニックが、下肢は股関節、膝関節、足の外科クリニックがあり、専門的に治療しています。
関節外科では、上肢(肩~手)と下肢(股~足)の関節の治療を行います。上肢は肩関節、手・末梢神経クリニックが、下肢は股関節、膝関節、足の外科クリニックがあり、専門的に治療しています。
- 上肢
肩関節クリニックでは、小中学生のスポーツによる肩関節障害から中高年の肩関節痛まで幅広く診療しています。手・末梢神経クリニックでは、小児から高齢者までの生まれつきの病気やけが、末梢神経のトラブルを扱っています。治療に精密な作業が必要な分野ですので、「手外科専門医」をという熟練したスタッフが診療にあたります。 - 下肢
股関節クリニックでは変形性股関節症、寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)、大腿骨頭壊死症などの股関節疾患全般を取り扱っています。膝関節クリニックは、変形性膝関節症や半月板損傷を担当します。足の外科クリニックでは外反母趾、変形性足関節症、外反扁平足などの慢性の病気だけでなく、捻挫による靱帯損傷や骨折などのけがを含めて治療しています。
■脊椎外科
首、背中、腰の痛みや手足のしびれ・痛み、手の使いづらさ、歩きにくさなどの症状に対して、画像検査と専門医による診察により総合的な診断を行い、症状や病態に合わせて最適な治療方法を提供します。
首、背中、腰の痛みや手足のしびれ・痛み、手の使いづらさ、歩きにくさなどの症状に対して、画像検査と専門医による診察により総合的な診断を行い、症状や病態に合わせて最適な治療方法を提供します。
■小児整形外科
外傷などの頻度の高いものから数万人に1人の疾患まで幅広い分野の,出生数日の新生児から小児期のまでの治療を行っています。こどもの成長に合わせて治療法を選択して,可能な限り自家矯正能力を引き出す治療を追求しています.
外傷などの頻度の高いものから数万人に1人の疾患まで幅広い分野の,出生数日の新生児から小児期のまでの治療を行っています。こどもの成長に合わせて治療法を選択して,可能な限り自家矯正能力を引き出す治療を追求しています.
■骨軟部腫瘍
骨・軟部腫瘍の診断と治療はきわめて特殊で、最も専門性が要求される分野のひとつです。骨・軟部腫瘍のスペシャリストが、診断から化学療法、手術までトータルにあたります。
骨・軟部腫瘍の診断と治療はきわめて特殊で、最も専門性が要求される分野のひとつです。骨・軟部腫瘍のスペシャリストが、診断から化学療法、手術までトータルにあたります。
■リウマチセンター
関節リウマチは、強力な治療薬の副作用や運動器以外の合併症がおこる場合があり、内科との連携が重要です。リウマチセンターを設立し、整形外科と膠原病内科が力を合わせて一緒に治療しています.
関節リウマチは、強力な治療薬の副作用や運動器以外の合併症がおこる場合があり、内科との連携が重要です。リウマチセンターを設立し、整形外科と膠原病内科が力を合わせて一緒に治療しています.
■骨粗鬆症
運動の習慣や偏らない食事などの指導と長期間の治療が必要となりますので、検査の結果などを総合的に判断して、それぞれの方に最も適した薬を選択し、定期的な検査で経過をみていきます。
運動の習慣や偏らない食事などの指導と長期間の治療が必要となりますので、検査の結果などを総合的に判断して、それぞれの方に最も適した薬を選択し、定期的な検査で経過をみていきます。
特色・主な取組
整形外科は、新生児から高齢者まで、幅広い年齢層の運動器の障害を取り扱う診療科です。取り扱う病気は、加齢、変性といった全ての方々がかかるものだけではなく、先天性の病気、骨軟部の腫瘍、関節リウマチといった不幸にして病気にかかる方、不意におこる外傷、スポーツをされている方に特有の障害まで、多岐にわたります。医療の進化と進歩により治療可能な病気が増加しており、みなさまの高まるニーズにお応えするため、12の専門クリニックが互いに連携しながら質の高い診療と臨床研究を行っています。2014(平成26)年からは、全国でも少ない小児整形外科センターと、整形外科と膠原病内科が連携したリウマチセンターを開設し、よりよい医療を目指しています。
研究へのご協力のお願い(オプトアウト)
当科では下記の通り、京都府立医科大学医学倫理審査委員会の承認を受けた研究を行っております。
これらの研究への協力を希望されない場合、もしくは内容にご不明な点がある場合は、各研究の担当者へお知らせ下さい。
研究課題名 | |
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No. 001 | 距骨骨軟骨損傷の発生に対する足関節不安定症の影響について |
No. 002 | 関節リウマチにおける立位と非立位における足部単純X線像の比較 |
No. 003 | X線学的足部アーチ評価法に関する研究 |
No. 004 | 腓骨筋腱脱臼における解剖学的素因と腱脱臼との関係の解明 |
No. 005 | 年長児以降の先天性筋性斜頸における頸椎矢状面アライメント評価の有効性 |
No. 006 | 外反母趾患者における第1足根中足関節不安定性とリスフラン関節変性の関連についての研究 |
No. 007 | 関節リウマチ症例に対する関節機能再建手術の術後成績の調査 |
No. 008 | 画像解析ソフトSYNAPSE VINCENTを用いた膝関節軟骨の形態的評価 |
No. 009 | 年長児以降の先天性筋性斜頸における頸椎矢状面アライメントの推移 |
No. 010 | T1ρマッピング法を用いた関節疾患に対する関節軟骨評価 |
No. 011 | 膝周囲骨切り術後の臨床成績の評価に関する研究 |
No. 012 | 日本整形外科学会症例レジストリー(JOANR)構築に関する研究 |
No. 013 | 足部疾患における軟骨病変のT2マッピングを用いた評価法に関する研究 |
No. 014 | 日本における野球選手の肘離断性骨軟骨炎に対する手術治療の現状 |
No. 015 | 人工知能による超音波画像診断を用いた野球肘検診支援システムの開発 |
No. 016 | 投球動作解析を目的とした新しいウェアラブルディバイスの開発 |
No. 017 | 人工膝関節全置換術がロコモティブシンドロームおよびサルコペニアに与える影響の解析 |
No. 018 | スポーツ障害の病態解明とそのリハビリテーションアプローチの確立 |
No. 019 | 人工知能によるMRIを用いた肩腱板筋脂肪浸潤および萎縮の自動定量化法の開発 |
No. 020 | 肩・肘関節疾患症例に対する保存療法と手術療法の成績調査 |