診療部・中央部門等のご紹介
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産婦人科

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産婦人科の紹介

当科では思春期から更年期・老年期にいたる「女性一生涯のヘルスケア」を治療理念としています。従来、婦人科領域では、思春期や更年期におけるホルモン療法や、子宮内膜症治療を得意分野としておりました。現在、最先端の医療を提供するために、悪性腫瘍治療や腹腔鏡手術に重点的に取り組んでいます。産科領域では、他科と連携して、先天異常をもつ胎児の管理に力を注いでいます。また、助産制度など、様々な妊婦さんのニーズに応えられるよう努めています。

診療内容

■婦人科腫瘍
婦人科腫瘍専門医修練施設に認定されており、年間約100例の新規がん症例(子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、外陰癌、腟癌)を取り扱っています。
  • 最先端かつ最善の治療を目指して
    最新の技術や機械を導入、画像診断医、病理医、放射線治療医と密に連携することで手術療法、化学療法、放射線療法(腔内照射、組織内照射)による集学的治療を行い、治癒を目指します。
  • 安心できる環境整備
    緩和ケア病棟や緩和ケアセンターと共同し切れ目のない早期からの緩和ケアの推進にも努めています。 看護部・薬剤部をはじめとした部門と協力し、患者さんと家族をあらゆる面でサポートします。
  • 機能温存を目指した取り組み
    子宮頸癌に対するロボット支援手術、子宮頸癌・体癌に対する腹腔鏡手術など、低侵襲手術に取り組んでいます。また、若年者の癌に対する妊孕能温存例には適応を考慮した上で手術やホルモン療法を行い、周産期班や生殖内分泌班と連携し妊娠出産を目指します。 

     

■周産期
正常妊娠として予定日決定以後より周産期外来を受診いただき、原則、予約診療として定期的に妊婦健診を行います。正常妊娠を含む当院での分娩を希望するすべての方を受け入れします。
  • 地域周産期母子医療センター
    地域周産期母子医療センターとして近隣の病院や医院より緊急を要する妊産婦の受け入れを積極的に行っています。また京都府こども病院として小児科(NICU)や小児循環器・腎臓科、小児心臓血管外科、小児外科を併設しており、多様な合併症を有する妊娠、あらゆる妊娠合併症の管理を行っています。
  • 助産外来
    正常な妊娠経過であれば、医師と協働型である助産外来を行っています。通常の妊婦健診と助産外来を交互受診していただき、安全・安心を得られる分娩となるよう、妊婦とスタッフが一緒に準備をしていきます。
  • 胎児ドック
    2020年4月より、胎児超音波検査による胎児ドックを開始しました。希望される妊婦さんは、どなたでも受診していただけます
    す。詳細は産婦人科HPをご覧ください。
  • 妊娠と薬外来
    2012年4月より当院が厚生労働省事業である「妊娠と薬情報センター」の拠点病院になりました。科学的に検証された医薬品情報を専門の医師・薬剤師により妊婦、妊娠希望者に提供いたします。
    まず、国立成育医療研究センター・妊娠と薬情報センターWeb問診票システム(下記URL)よりお申込いただいてから、当院「妊娠と薬外来」の予約を電話(075-251-5862)にてお取りください。
    Web問診票システムURL:https://n-kusuri.ncchd.go.jp/ncchd/login
  〔外来日〕木曜日(祝日は除く)
  〔時間〕14:00~16:00 予約制
  〔費用〕10,000円+税(30分:自費診療)
  〔申込み先〕薬剤部 医薬品情報室 075-251-5862(月~金曜日・祝日を除く 9:00~17:00)
   →詳細はコチラをご覧ください。
 
■子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮腔内に存在する子宮内膜もしくはその類似組織が子宮外に発生する疾患で、その主な症状は疼痛と不妊です。疼痛はコントロール困難な月経痛が特徴的で、ほかに月経時以外の慢性骨盤痛や排便痛などが生じることもあります。卵巣に生じる卵巣チョコレート囊胞の癌化リスクも知られてきました。
  • 薬物療法
    低用量ピル、黄体ホルモン療法、偽閉経療法(GnRHアゴニスト)に代表される内分泌療法が薬物療法の主流です。軽症の場合は鎮痛剤のみでコントロールできる場合もあります。
  • 手術療法
    薬物療法で痛みのコントロールが困難な場合、大きな卵巣チョコレート囊胞がある場合、不妊症状がある場合には手術療法が必要で、当科ではもっぱら腹腔鏡下手術により行います。子宮内膜症が進行した凍結骨盤、深部子宮内膜症、腸管子宮内膜症、膀胱子宮内膜症に対しても腹腔鏡下手術を行っています。
     
■子宮筋腫・子宮腺筋症
子宮筋腫の主な症状は過多月経、月経痛、不妊で、大きくなれば腹部膨満感や頻尿などの圧迫症状、腰痛なども出現します。子宮腺筋症は強い月経痛や過多月経が特徴的です。
  • 薬物療法
    偽閉経療法(GnRHアゴニスト)、低用量ピルが主な薬物療法です。子宮内避妊用具(IUD)に黄体ホルモンを付加した子宮内システム(IUS)により子宮の中に持続的に放出する治療法が症状軽減に有効な場合もあります。
  • 手術療法
    概ね6cm以上の子宮筋腫や子宮腺筋症で症状が強い場合、不妊症状がある場合は手術が必要で、当科ではもっぱら腹腔鏡下手術で行います。子宮腔内に発生する粘膜下筋腫は子宮鏡手術で行います。若年者や挙児希望のある方は子宮温存手術を、挙児希望のない方は子宮全摘術を行います。
     
■不妊症
妊娠を希望して1年以上夫婦生活を行っているにもかかわらず妊娠に至らない場合、不妊症と定義されます。その原因は女性因子として排卵因子、卵管因子、子宮因子、頸管因子、免疫因子が、男性因子として精子の数や質が低下した場合がありますが、原因不明の場合もあります。不妊症治療には、タイミング法、排卵誘発法、人工授精、そして体外受精などの生殖補助医療があり、不妊原因に則した治療法を順番にステップアップして行います。子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの器質的疾患が原因と考えられる場合は、その治療を行うことにより妊娠しやすい骨盤内環境にします。
 
■感染症
性感染症は、性交または類似行為によって感染する疾患で、昔は梅毒、淋病などが知られていましたが、最近ではクラミジア感染症、性器ヘルペス、HIV感染症なども加えて総称されています。その特徴は、起炎微生物の種類は多く、細菌・ウイルス・原虫・真菌・寄生虫など多岐にわたることです。産婦人科領域における性感染症の問題としては、罹患時の諸問題に加え、不妊症の原因や罹患妊婦からの母子垂直感染など次世代にわたる問題を含んでいます。性感染症は、若者を中心に流行し、その特徴は「症状が現れにくい」ことです。以前の性病は、感染すると、はっきりとした症状が現れることが多く、感染したことが本人にはわかることが多かったのですが、最近の性感染症は感染した本人も気づかないことがあり、知らない間に他人にうつしてしまう可能性があります。性感染症は、近年横這い傾向にあるとされていますが、実際の状況は特に若者、女性に多くなっています。
 
■月経不順・月経痛・月経過多
月経不順だからといって直ぐに治療を要するわけではありません。基礎体温表やホルモン検査によって、排卵障害の有無と女性ホルモンの血中濃度を調べます。3月に1回以上排卵を認めれば、特に治療の必要はありません。排卵障害を認めた場合は、すぐに妊娠を望む人には排卵誘発剤の服用、すぐに望まない人にはホルモン療法を行います。
月経痛・月経過多がある場合、子宮内膜症・筋腫・腺筋症など子宮や卵巣に異常がないか調べる必要があります。子宮、卵巣に異常があれば手術を要することがあります。薬物療法には、鎮痛剤、ホルモン療法、黄体ホルモン子宮内放出システムなどがあります。
 
■更年期障害
閉経の前後5年を更年期といい、概ね45歳から55歳です。女性ホルモンの低下、欠落を引き金となりますが、社会的なストレスや気質も発症に影響します。のぼせ、ほてり、動機(ホットフラッシュ)が特徴的な症状ですが、精神症状も伴います。ホルモン療法が唯一の原因療法ですが、症状を緩和する対症療法でもよいです。当院では漢方療法やサプリメントの紹介も行っておりますが、抗加齢効果も期待でき、医学的根拠の豊富なホルモン療法を推奨しています。
 

スタッフ紹介

職 名 氏 名 専門分野、学会認定等
部 長 森 泰輔 婦人科腫瘍
副部長 藁谷 深洋子 周産期
科 長 小芝 明美 子宮内膜症、女性ヘルスケア
医 員 伊藤 文武 腹腔鏡下手術、女性ヘルスケア、感染症
医 員 寄木 香織 婦人科腫瘍
医 員 馬淵 亜希 周産期
医 員 古株 哲也 婦人科腫瘍
医 員 片岡 恒 婦人科腫瘍
医 員 髙岡 宰 子宮内膜症、不妊症
医 員 田中 佑輝子 周産期
医 員 前田 英子 子宮内膜症、遺伝
医 員 沖村 浩之 不妊症、周産期

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