病院長のあいさつ

京都府立医科大学附属病院長
夜久 均(やく ひとし)
「信頼できる医療を府民の皆様へ」
京都府立医科大学附属病院は2022年に創立150周年を迎えます。明治5年に青蓮院の療病院から始まった当病院は、戊辰戦争で傷ついた兵士を治療する西洋医学の、目を見張るような医療を目の当たりにした幕末の志士の献身的な努力と、京都の一般市民、財界、花街からの資金援助を得て、京都府の運営で始まりました。
「学問、そしてそれを支える健康がなければ国は滅びる」という理念の下、西洋医学の臨床と学問、そして教育が全国に先駆けて始まりました。当附属病院の現在の基本理念は「世界トップレベルの医療を地域へ」であり、150年の年月を経ても、その精神は脈々と続いています。
翻って現在の医療を取り巻く環境を考えますと、2025年には団塊の世代が全員後期高齢者となり、高齢者の医療や介護のニーズがピークになると考えられています。
一方、がんゲノム解析が進み、また新しい抗がん剤も開発され、がん治療のパラダイムシフトが進み、また様々な治療デバイスの開発も日進月歩であり、より低侵襲の治療が可能になっています。
このような時代の中で、当附属病院の特定機能病院として、また大学病院としての役割は、まさに基本理念にもありますように、世界トップレベルの診断・医療技術・薬剤を駆使して、新生児から高齢者まで、正確な診断に基づいた、身体に優しい治療を受けていただくことかと思っています。
もちろん待った無しの病状にも対応できる救急診療の体制も整えております。
最近のトピックスとしましては何といっても「永守記念最先端がん治療研究センター」が治療を開始したということです。
これはがんに対する陽子線治療を行うセンターで、治療は前立腺がんから始まりましたが、小児がんも含めてすでに適応拡大がなされており、がん治療の先進医療として非常に期待がかかります。
本院は厚労省指定の「がん診療連携拠点病院」、「小児がん拠点病院」であり、益々がん治療の厚みが増していくことに努力を重ねています。
それ以外にも循環器疾患、呼吸器疾患、神経疾患等様々な疾患に対して先進医療を取り入れており、それらを府民の皆様に還元していくことは我々の使命です。
われわれ附属病院職員全員が連携を取りながら、患者様すべてのニーズに応えるべく努力して参りますので
どうぞよろしくお願いいたします。
京都府立医科大学附属病院
病院長 夜久均