令和2年度 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1399 530 367 448 870 1412 2228 3839 1744 179
昨年度に当院を退院した患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計したものです。60代、70代の患者数が最も多くなっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 59 3.59 4.31 0.00% 7.24
080270xxxx1xxx 食物アレルギー-処置1:あり 47 1.09 2.12 0.00% 2.43
14031xx09900xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 44 1.55 6.19 0.00% 3.57
010010xx9900xx 脳腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 37 1.43 11.50 0.00% 5.30
080270xxxx0xxx 食物アレルギー-処置1:なし 33 1.09 2.44 0.00% 7.12
【食物アレルギー】
食物アレルギーは、乳幼児の約10%、児童・生徒の約5%に認める頻度の高い疾患です。以前は、少しでも症状がある、血液検査で特異的IgE陽性であると除去されることが一般的でしたが、現在は経口負荷試験によりアレルギーがあるのか、また少量でも症状なく摂取できる量があるのかを確かめることで、必要最小限の食物除去(食事指導、経口免疫療法)が行われています。一方で経口負荷試験による重篤なアナフィラキシーの誘発も問題となっています。当院では、地域医療連携を通じて地域の先生方より、強いアナフィラキシー症状のため摂取ができない食物アレルギー児の紹介を数多くいただき、リスクを評価した食物経口負荷試験を実施し(入院負荷試験:令和元年度108件、令和2年度118件)、安全な摂取量を確認し、開始することによる食生活の改善や耐性獲得を目指しています。

【先天性心疾患】
 当院は小児循環器学会修練施設に認定されており、京都の心臓病患者の診断・治療を一手に引き受けています。小児心臓血管外科との共同診療体制により、先天性心疾患においては全国的にもトップクラスの治療成績をあげています。具体的には、令和2年(1/1~12/31)の心臓カテーテル検査件数は、診断カテーテル 111件、カテーテル治療 29件でした。コロナ禍で春先の入院件数が減少しましたが、最終的には例年の約8割の実績となっています。他大学病院・医療機関からの紹介によって、近畿圏は勿論、全国から患者さんを受け入れており、今後も患者数の増加が見込まれます。

【下垂体機能低下による低身長】
下垂体機能低下による低身長の原因としては、成長ホルモン分泌不全や中枢性甲状腺機能低下症などがあり、分泌負荷試験を施行し、診断・治療を行なっています。特に、当院は小児がん拠点病院であることから多くの小児がん経験者の症例のフォローを行なっており、そのような症例の中には下垂体機能低下による低身長を呈する症例が多く、治療を行なっています。

【脳腫瘍を含む小児がん】
 脳腫瘍をはじめ各種小児がん疾患に関しては、当院が小児がん拠点病院に指定されていること、手術、化学療法、陽子線治療を含む放射線治療が可能であり、全国から多数の患者さまを積極的に受け入れています。日本小児がん研究グループと連携し、臨床試験を含めた最先端の治療が提供可能です。治療にあたっては、多職種カンファレンスを実施し、治療後の生活も見据えた診療計画を立案し、治療にあたっております。難治症例に対しては、がん遺伝子パネル検査に基づいたがんゲノム診療も実施可能です。今後も合併症の軽減を目指した治療を推進していきます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 71 21.39 21.03 8.45% 67.23
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。)-四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等-処置1:なし 46 7.28 5.39 2.17% 44.11
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等 44 19.64 23.36 15.91% 74.86
070210xx01xxxx 下肢の変形-骨切り術 前腕、下腿等 34 19.82 21.13 2.94% 56.21
070230xx02xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-骨穿孔術等 32 23.91 26.80 3.13% 60.81
肩、肘、股、膝、足関節の様々な疾患に対して人工関節置換術を多く行っています。また、関節温存を目的とした骨切り術や関節鏡手術も行っており、患者さんに最適な手術方法を選択しています。脊椎疾患に対する手術では、内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲手術やコンピュータナビゲーションシステムを用いた手術など、安全で精度の高い除圧術や固定術を行っています。悪性骨軟部腫瘍に対しては効果的な手術療法と化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療を行い、患肢温存と生存率において良好な治療成績を上げています。外反母趾や扁平足など高度な足部変形に対して手術を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 37 8.84 9.33 0.00% 7.86
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍-組織拡張器による再建手術(一連につき) 乳房(再建手術)の場合等 18 8.00 8.26 0.00% 56.11
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)-鼻骨骨折整復固定術等-処置1:なし-処置2:なし - - 5.28 - -
070520xx97xxxx リンパ節、リンパ管の疾患-手術あり - - 8.51 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物-皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等-処置1:なし - - 4.06 - -
形成外科では、体表の傷口や変形を確実にきれいに治すことを念頭に治療にあたっています。特に代表的な疾患として、乳がんの切除に伴う乳房の欠損・変形に対して腹部や背部の脂肪を利用する自家組織再建と、組織拡張器やシリコンインプラントを利用する人工物再建との双方を行っています。また、先天性疾患である口唇裂・口蓋裂に対しては、乳児期から大人になるまで、口唇形成術・鼻形成術・口蓋形成術・顎裂部骨移植術などを行っています。耳・手指・足趾などあらゆる先天性疾患に対応しています。皮膚のできものなどのありふれた疾患にも整容性を重視した治療を行っています。リンパ浮腫に対しても手術治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 30 3.17 3.04 0.00% 62.43
010070xx9910xx 脳血管障害-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 27 3.00 3.29 0.00% 72.11
010010xx02x00x 脳腫瘍-頭蓋内腫瘍摘出術等-処置2:なし-副病:なし 21 31.14 21.17 19.05% 52.10
010010xx9900xx 脳腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 14 14.79 11.50 28.57% 51.29
010010xx991xxx 脳腫瘍-手術なし-処置1:あり 12 6.42 5.10 0.00% 60.25
脳梗塞、脳出血やくも膜下出血等の脳血管障害については、24時間受入可能な体制を構築し、急性期の診断・治療と早期リハビリにより機能予後の改善につとめている。未破裂脳動脈瘤は近隣施設より数多くの症例が紹介され、外科治療の適応については患者さん・ご家族と十分時間をかけて相談した上で決定する。コイル塞栓術やフローダイバーターなどの血管内手術を中心に、低侵襲かつ確実な治療を実践している。当施設ではグリオーマなど悪性脳腫瘍の診断、治療を得意としており、手術、放射線治療や化学療法を含めた集学的治療に積極的に取り組んでいる。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍-手術あり-処置2:なし-副病:なし 147 9.34 10.83 0.68% 70.34
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 14 2.71 3.39 0.00% 70.57
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍-手術あり - - 8.40 - -
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍-縦隔悪性腫瘍手術等-処置2:なし - - 9.98 - -
040200xx01x00x 気胸-肺切除術等-処置2:なし-副病:なし - - 10.08 - -
肺悪性腫瘍、縦隔腫瘍に対し、胸腔鏡及び手術支援ロボットを用いて根治手術を行っています。肺癌及び転移性肺腫瘍に対して、解剖学的切除を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:1あり 47 29.60 22.56 6.38% 64.94
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等-処置2:1あり 44 12.39 15.88 0.00% 79.82
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等-処置2:1あり 20 34.70 28.61 10.00% 70.55
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等-処置2:1あり 19 16.84 19.98 0.00% 68.68
050090xx97x1xx 心内膜炎-手術あり-処置2:1あり - - 50.38 - -
虚血性心疾患や弁膜症などの心臓の病気や、大動脈瘤や末梢血管など血管の病気を、外科的に治療しています。 1番目と5番目は、弁膜症に対する弁置換術や弁形成術などの手術です。弁膜症とは、心臓内に血液の逆流防止のためについている 弁の疾患であり、これらに対して自己の弁を温存して治す弁形成術や、悪い弁を取り替える弁置換術を行います。当院ではできるだけ自己組織を温存し、抗凝固薬を必要としない弁形成術を行い、これが困難な場合には人工弁を用いた置換手術を行います。2番目に多いのは大動脈瘤に対するステントグラフトによる治療です。大動脈瘤は、血液を全身へ送るパイプの役割をしている大動脈が 瘤状に拡大する病気であり、ステントグラフトと呼ばれるバネ付き人工血管をたたんでカテーテルで瘤の部分に進め人工血管を広げる血管内治療を行っています。通常の開胸開腹手術と比較すると、鼠径部の小さな傷だけで行う事ができ、手術後の回復も早いため、高齢の方や合併疾患をお持ちの方にも行うことができます。2021年より、ステントグラフトは外科的な創部がなしでも行えるようになり、術後数日で退院することも可能となりました。若い体力のある方に対しては従来の開胸開腹手術も行っており、患者さんの状態に応じて最適な治療(大動脈瘤のテーラーメード治療)を提供いたします。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア・陰嚢水腫 手術入院 69 3.19 2.79 0.00% 4.12
140590xx97xxxx 停留精巣 手術入院 42 3.29 3.02 0.00% 2.17
070590xx99x0xx 血管腫、リンパ管腫の検査 非手術治療入院 25 2.84 5.92 0.00% 3.72
060130xx9900xx 胃食道逆流 検査入院 20 3.90 7.71 0.00% 10.70
14044xxx99x0xx 便秘症 検査入院 19 3.42 6.11 0.00% 3.53
小児外科では、0-15歳までの小児(新生児を含む)の心臓、脳以外のあらゆる臓器の外科疾患の診断と治療を行っています。主要疾患として入院患者数がもっとも多いのは、鼠径ヘルニア・陰嚢水腫、次に停留精巣です。さらに消化器機能疾患に対する診断も当科で行っており、胃食道逆流症および便秘症の検査入院も多く、京滋で唯一食道インピーダンスpHモニタリング、直腸肛門内圧検査や直腸粘膜生検などの特殊検査が可能な施設です。また、難治性疾患である血管・リンパ管奇形の診断・治療に積極的に取り組み、従来の硬化療法に加え漢方薬やmTOR阻害剤などを使用し、患者さんに応じた治療に取り組んでいます。さらに、当院は小児がん拠点病院に認定されています。入院が小児科主体のため計上はされませんが、小児悪性腫瘍患者の集学的治療の一環として外科治療も多数施行しています。また新生児外科症例は京滋で最多であり、通常の新生児外科疾患に加え、超低出生体重児への緊急手術や多臓器に疾患を持つ重症患児の手術も新生児科などと連携して行っています。
小児心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx002x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)-ファロー四徴症手術等-処置2:なし 25 22.36 24.74 0.00% 4.48
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:1あり - - 22.56 - -
14031xx003x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)-心室中隔欠損閉鎖術 単独のもの等-処置2:なし - - 14.87 - -
14031xx102x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳未満)-ファロー四徴症手術等-処置2:なし - - 27.46 - -
14031xx097x0xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上)-その他の手術あり-処置2:なし - - 12.66 - -
小児心臓血管外科では、疾患頻度の多い心室中隔欠損症や心房中隔欠損症などからファロー四徴症、完全大血管転位症、両大血管右室起始症、肺動脈閉鎖症、単心室症、総肺静脈還流異常症、左心低形成症候群などの複雑心疾患まであらゆる先天性心疾患に対して質の高い手術を行なっており、その対象年齢は生後間もない新生児から成人まで幅広くなっています。とくに近年は成人期に達した先天性心疾患(術後も含む)の患者さんが増加しており、小児科だけではなく循環器内科や(成人)心臓血管外科とも協力し合いながら治療にあたっています。当院では重症度の高い疾患の割合が多くなっていますが、平均在院日数は全国平均より短く、良好な手術成績をおさめています。先天性心疾患、特に複雑心疾患は患者さん毎に病態が大きく異なり、その治療法にも様々な選択肢が生じます。心血管形態や病態を正しく把握し、それぞれの患者さんにベストな治療を心掛けています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍-腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 93 5.90 6.10 0.00% 44.35
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍-卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 55 6.02 6.16 0.00% 41.91
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍-手術なし-処置2:4あり-副病:なし 47 4.06 4.44 0.00% 62.94
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍-手術なし-処置2:5あり-副病:なし 37 3.76 4.34 0.00% 58.16
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍-子宮悪性腫瘍手術等-処置2:なし 36 11.81 11.96 0.00% 60.22
産婦人科は周産期(産科)、腫瘍(婦人科)、生殖内分泌(不妊治療)、女性医学(更年期症候群や性感染症など)からなる非常に幅広い領域で女性の健康をトータルにサポートしています。各領域には、専門資格と豊富な経験を有するスタッフが直接治療に当たることで高度な医療を提供できるよう心がけています。当院での悪性腫症例数が徐々に増えていることに伴い、抗がん剤治療症例数も増えています。今回の病院指標で上位であった理由は、抗がん剤の初回投与中に薬剤アレルギー発症リスクがあるため入院管理していることが影響していると考えられます。また、子宮内膜症に対する研究や臨床は、全国的にも評価されており、日本国内から多数の患者さんを紹介いただいております。それらは比較的難治症例が多いにもかかわらず、平均在院日数が示しますように、安全に遂行できています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患-手術あり-片眼 218 3.24 2.76 0.00% 73.44
020220xx01xxx0 緑内障-緑内障手術 濾過手術-片眼 119 11.21 9.79 0.84% 71.13
020160xx97xxx0 網膜剥離-手術あり-片眼 117 6.74 8.97 0.00% 52.45
020220xx97xxx0 緑内障-その他の手術あり-片眼 76 4.88 5.79 1.32% 66.04
020200xx9710xx 黄斑、後極変性-手術あり-処置1:あり-処置2:なし 44 6.02 6.49 0.00% 68.89
白内障は眼の中にある水晶体が濁る病気です。年齢とともにほとんどの人がかかります。緑内障は眼の内圧が高くなり、見える範囲が狭くなる病気で、年齢とともに多くの人で発症します。網膜は眼を裏打ちしている光を感じる膜で、剥離や変性した場合には治療が必要になります。これらの病気以外に、角膜、目の位置、まぶた、涙道、眼窩などあらゆる眼の病気に対応しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx99x60x 頭頸部悪性腫瘍-手術なし-処置2:6あり-副病:なし 75 3.20 11.44 0.00% 68.60
03001xxx0100xx 頭頸部悪性腫瘍-頸部悪性腫瘍手術等-処置1:なし-処置2:なし 66 14.15 13.68 0.00% 69.24
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍-甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等-処置1:なし 45 9.20 8.50 0.00% 52.84
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍-手術あり 35 7.03 7.20 0.00% 52.94
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 34 7.09 6.71 2.94% 64.29
頭頸部腫瘍外科として頭頸部悪性腫瘍、甲状腺悪性腫瘍および耳・鼻・口腔・咽頭・唾液腺など多岐にわたる腫瘍の手術を専門病院として多数の症例に対して行っています。また分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の治療など新たな薬剤による化学療法による治療にも力を入れております。ほかにも、耳鼻咽喉科の一般的な手術として、慢性副鼻腔炎に対する副鼻腔内視鏡手術も多くの症例に対して施行しています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010310xx99x0xx 脳の障害(その他)-手術なし-処置2:なし 12 18.58 10.27 8.33% 64.33
010155xxxxx0xx 運動ニューロン疾患等-処置2:なし - - 13.40 - -
010069xx99000x 脳卒中の続発症-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし - - 9.70 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチ-手術なし-処置2:なし - - 15.90 - -
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 - - 25.09 - -
リハビリテーション科では、急性期リハビリテーション治療を積極的に行っているのは勿論、自宅に戻った後の生活期脳血管障害や運動ニューロン疾患,関節リウマチの患者さんに対する入院治療も行っています。特に脳血管障害を有する生活期の患者さんにおいて問題となる、麻痺肢の痙縮や歩行障害、装具不適合に対して入院治療で全身の評価・精査と障害の評価を行います。痙縮に対しては投薬治療に加え、ボツリヌス療法を行います。短期集中で行う訓練だけではなく装具の調整、新規作製も合わせて行い、家屋調査にも出向きます。現在の障害像に合わせて適切なリハビリテーション診断・治療を行うことで生活期のADL、QOLを最大限高めるよう努力しております。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 15 2.93 3.39 0.00% 68.53
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍-手術なし-処置2:2あり 10 4.00 6.15 0.00% 54.10
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。)-その他の手術あり-処置2:なし - - 10.70 - -
050200xx97xxxx 循環器疾患(その他)-手術あり - - 9.91 - -
040010xx99x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍-手術なし-処置2:なし - - 6.77 - -
肺や縦隔、腹部、骨軟部などの超音波ではアプローチが難しい部位の腫瘍性病変に対して、CTガイド下生検をおこなっています。低侵襲であり短期入院での施行が可能です。腹部腫瘍の陽子線治療用の金属マーカー留置を行なっています。血管内または経皮的に留置しており、症例ごとに安全かつ確実に留置できる方法を検討し、最適な方法で留置を行っています。 内臓動脈瘤や動静脈奇形に対する血管塞栓術を行なっています。低侵襲であり短期入院での施行が可能です。また当院では甲状腺癌術後に行う放射性ヨード内用療法を入院にて施行可能です。ヨード内容療法を入院で施行している病院は本邦でも限られており、当院はその中の一つになります。当院では18名程度の入院受け入れが可能で、令和2年度は計18名のヨード内用療法を行いました。令和3年度も前年度と同程度に達する見込みです。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 28 17.46 15.64 35.71% 69.00
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症-手術なし-処置2:なし-15歳以上 16 24.44 17.00 12.50% 58.38
010155xxxxx0xx 運動ニューロン疾患等-処置2:なし 15 16.07 13.40 0.00% 68.87
010090xxxxx0xx 多発性硬化症-処置2:なし 11 14.09 14.72 0.00% 41.82
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー-処置2:4あり - - 16.95 - -
当科の特徴は脳梗塞やてんかん、神経感染症などの急性疾患からパーキンソン関連疾患、運動ニューロン疾患などの神経変性疾患・神経難病、さらに希少難病に対応している点です。最も多い疾患は脳梗塞であり、t-PAによる超急性期治療も行っています。急性期を過ぎると回復期リハビリテーションと連携して円滑な機能回復を図るとともに二次予防を継続しています。免疫介在性神経疾患(多発性硬化症、CIDPやギラン・バレー症候群などのニューロパチー)、運動ニューロン疾患、およびてんかんについては近年、著しい治療の発展がみられますが、それぞれの疾患群を専門とする脳神経内科医の主導のもとに最新のエビデンスに基づいた診断・治療を行っております。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx99x3xx 悪性黒色腫以外の皮膚がんに対する手術以外の治療 65 2.19 7.95 0.00% 74.52
080006xx01x0xx 悪性黒色腫以外の皮膚がんに対する手術療法 54 7.78 7.71 0.00% 72.11
080190xxxxxxxx 重症円形脱毛症に対するステロイドセミパルス療法 21 3.95 3.38 0.00% 42.19
080005xx01x0xx 悪性黒色腫に対する手術療法 18 12.61 12.39 0.00% 66.56
080010xxxx0xxx 蜂窩織炎や丹毒などの皮膚感染症 14 12.36 12.87 0.00% 66.57
悪性黒色腫をはじめとする皮膚がんに対して、手術療法、化学療法、放射線療法等による集学的治療を数多くおこなっています。(外来化学療法センターで行っている免疫チェックポイント阻害剤や一部の抗がん剤にほる治療は本指標に含まれていません。)また、広範囲の重症円形脱毛症に対するステロイドセミパルス療法を入院で行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx03xxxx 前立腺の悪性腫瘍-経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 166 2.00 2.75 0.00% 73.04
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり 137 2.08 2.54 0.00% 72.90
11001xxx01x0xx 腎腫瘍-腎(尿管)悪性腫瘍手術等-処置2:なし 96 11.34 11.03 0.00% 67.22
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置2:なし 76 5.75 7.13 0.00% 76.33
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍-前立腺悪性腫瘍手術等 49 14.10 11.89 0.00% 68.51
体に優しい、生活の質を維持できる、低侵襲な、新しいがん治療の選択肢(内視鏡下手術、腹腔鏡下手術、内放射線治療、陽子線 治療など)を、従来の標準とされる侵襲的な治療選択肢(全摘手術、外放射線治療など)と、ともに患者さんに提示し、「がんの制御」と 「生活の質」の維持の両立を図ることを積極的に進めています。その治療選択肢の適切な判断が重要であり、最新の画像診断および精度の高い診断技術も導入し、治療成績の向上を実現しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 100 3.41 3.39 0.00% 72.84
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし 21 11.52 9.42 0.00% 65.90
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-処置2:なし 21 21.62 18.61 0.00% 69.29
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:あり-0 17 17.18 15.61 0.00% 69.47
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸-手術なし-処置1:あり 16 2.00 2.04 0.00% 67.19
呼吸器内科の入院患者では原発性肺癌が最も多く、気管支鏡検査により確定診断を得ています。気管支鏡検査では超音波内視鏡に加えて超音波ガイド下リンパ節生検、クライオバイオプシーも導入しており、高い診断率を達成しています。治療では複雑化する肺癌薬物療法について専門医が集まり全例カンファレンスで治療レジメンを検討しています。また標準治療だけでなく、臨床試験や治験にも積極的に参加しています。局所進行肺癌に対しては呼吸器外科、放射線科と協力して集学的治療を行っています。間質性肺炎については気管支鏡検査による検査や全国で行われている臨床試験に参加してレジストリへの登録を行っています。間質性肺炎急性増悪など重症病態に対する治療を行っています。またポリソムノグラフィーによる睡眠時無呼吸症候群の診断など様々な呼吸器疾患の診療に取り組んでいます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈-経皮的カテーテル心筋焼灼術-処置2:なし 154 4.76 4.95 0.00% 64.01
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし 149 2.86 4.44 0.00% 73.58
050080xx9701xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-その他の手術あり-処置1:なし、1あり-処置2:1あり 117 14.73 18.32 29.91% 85.50
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし 70 2.56 3.07 0.00% 72.84
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:2あり-処置2:なし 49 2.94 3.26 0.00% 71.43
生活習慣病、人口の高齢化に伴い、心血管疾患が増加しています。できるだけ侵襲が低く短時間で診療ができるよう、検査や診療において全疾患をカバーしています。特にカテーテルによる大動脈弁置換術は、全国屈指の症例数で安全な治療を実践しています。関連病院との密接な連携を生かし、対象となる患者様の迅速な紹介による的確な治療の実施と治療後の十分な経過観察が当科の強みです。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 88 8.02 11.04 0.00% 57.91
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:1あり 29 11.07 14.01 13.79% 72.97
110260xx99x3xx ネフローゼ症候群-手術なし-処置2:3あり 20 2.35 5.25 0.00% 41.55
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり 17 11.00 8.90 5.88% 53.35
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群-手術なし-処置2:なし - - 20.56 - -
腎臓内科では、慢性腎臓病や糸球体腎炎を中心に、急性腎障害、高血圧、電解質異常などの診療を行っています。 糸球体腎炎、ネフローゼ症候群に対しては、腎生検による診断から治療まで行っています。症例数の多い慢性腎臓病については、その原 因や悪化因子は様々で、個々の患者さんの状態を把握し、病状・治療についての情報提供や栄養指導を行う教育入院を行っています。 病状が進行した方に対しては、腎代替療法として血液透析、腹膜透析、腎移植の選択から導入についても、移植一般外科と協力しながら 行っており、最近では腹膜透析を選択される患者さんも増えてきています。
移植・一般外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 12 2.33 4.86 0.00% 73.00
110280xx01x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術-処置2:なし - - 7.53 - -
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-その他の手術あり-処置2:なし-副病:なし - - 15.20 - -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし - - 11.04 - -
060320xx99xxxx 肝嚢胞-手術なし - - 10.08 - -
当科では腎不全外科治療を行っています。主に腎移植を中心に行い、透析治療に関わる内シャント造設術・腹膜透析カテーテル留置やそれらの合併症の際の外科治療を実施しています。また、一般外科領域の鼠径ヘルニアの治療を内視鏡を用いた鼠径ヘルニア修復術も行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:5あり 62 18.90 20.27 1.61% 71.89
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫-手術あり-処置2:5あり-副病:なし 57 24.33 31.90 0.00% 70.60
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:4あり 37 9.49 11.14 0.00% 71.73
130010xx97x2xx 急性白血病-手術あり-処置2:2あり 27 33.48 38.35 3.70% 65.70
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫-手術なし-処置2:3あり 27 13.04 16.62 3.70% 67.56
血液内科では、造血器悪性腫瘍をはじめ、貧血、凝固異常症などあらゆる血液疾患に対する診療を行っています。頻度の高い疾患は、非ホジキンリンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患などになります。主な診療は、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法、分子標的治療(がんの増殖に必要な特定の分子を標的とした治療法)であり、骨髄バンク認定施設として造血幹細胞移植も積極的に行っています。近年、外来通院での実施が可能な化学療法も増えてきており、できるだけ患者さんの日常生活を維持しながらの治療を目指しています。当科では、血液専門医・指導医、造血細胞移植認定医、輸血・細胞治療認定医、がん薬物療法専門医など、各領域の専門医の主導のもと、看護師、薬剤師、移植コーディネーターといった多職種から成るチームで診療を行っています。それぞれの患者さんに対し、診断から初回治療、再発治療あるいは緩和的治療に至るまで、最新のエビデンスに基づいた最適な診療を心がけています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 267 2.17 2.66 0.00% 67.31
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置2:なし-副病:なし 170 6.82 9.53 2.35% 70.80
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 140 6.91 8.11 0.00% 72.54
060030xx97x00x 小腸の悪性腫瘍、腹膜の悪性腫瘍-その他の手術あり-処置2:なし-副病:なし 79 5.25 10.89 0.00% 65.86
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし 79 3.51 4.63 0.00% 69.10
当院には多数の連携機関があり、多数の患者さんの紹介があります。中でも、外科的手術と比べ低侵襲な内視鏡や血管内治療など、高度な医療が必要とされる患者さんが多く、その理由として、当科ではそれぞれの治療法ごとにチームを結成し、多数の患者さんに高度で均一なレベルでの医療を提供できるよう心がけていることが挙げられます。最も患者数が多いのが内視鏡的大腸ポリープ切除術、つづいて、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、経皮的もしくは内視鏡的胆管治療、早期大腸がんに対するESD、早期食道がんに対するESDと、すべて悪性疾患に対する治療です。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx010x0x 結腸がん-結腸切除術 70 13.91 16.19 0.00% 68.74
060020xx02xxxx 胃がん-胃切除術 56 18.77 19.04 5.36% 71.02
060340xx99x0xx 胆管結石、胆管炎 53 6.89 9.76 0.00% 73.08
060050xx02xxxx 肝臓がん-肝切除術 39 11.05 15.58 0.00% 61.46
060040xx02000x 直腸がん-直腸切除術 25 13.12 15.31 0.00% 66.68
結腸がん、胃がん、肝臓がん、直腸がんのいずれに対しても腹腔鏡を用いたからだに優しい(低侵襲な)手術を行っています。腹腔鏡による手術は、従来の手術よりも切開創が小さくできるため、手術後の痛みが軽く、回復も早い傾向にあります。また、切開創がほとんどわからなくなる症例もあり、整容性に優れています。特に胃がん、直腸がんに対してはロボット支援手術を保険診療で実施しています。
内分泌・糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-処置2:1あり 19 9.90 14.60 0.00% 65.47
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍-手術なし-処置1:なし-副病:なし 10 5.00 6.26 0.00% 59.60
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)-処置2:なし - - 11.26 - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡-処置2:なし-副病:なし - - 13.33 - -
100180xx991xxx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍-手術なし-処置1:あり - - 3.73 - -
-2型糖尿病だけでなく1型糖尿病も含め、糖尿病発症時やコントロール悪化時、また糖尿病合併症予防のために、生活の見直し、治療方針の見直しなどを行う教育入院を行っています。糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧性高血糖症候群などの急性期の糖尿病救急疾患の治療も積極的に行っています。内分泌疾患は、副腎疾患を中心に、下垂体や甲状腺疾患の検査や治療のための入院を行っており、疾病の内科的コントロール、必要な場合手術治療のため他科と連携しています。
膠原病・リウマチ・アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 膠原病・自己免疫性疾患(感染症以外、生物学的製剤投与なし) -手術なし、処置2:なし 43 15.37 15.28 4.65% 60.72
070560xx97xxxx 膠原病・自己免疫性疾患-手術あり 16 41.13 37.12 25.00% 62.50
070470xx99x0xx 関節リウマチ(生物学的製剤投与なし) -手術なし、処置2:なし 12 12.75 15.90 16.67% 69.08
070560xx99x70x 膠原病・自己免疫性疾患(感染症以外、ガンマグロブリン投与あり) 11 32.46 23.08 36.36% 70.91
040110xxxxx0xx 間質性肺炎-処置2:なし - - 18.61 - -
膠原病・リウマチ・アレルギー科では自己免疫性疾患、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患の診療に当たっています。対象疾患としては、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎症候群などの自己免疫性疾患、および関節リウマチです。リウマチ専門医・指導医が診断・治療にあたり、それぞれの患者さんに最適な治療をチームで総合的に検討しながら治療に当たっています。関節リウマチの診療についてはリウマチセンターを併設し、整形外科とともに積極的に行っており、生物学的製剤および新規低分子治療薬なども患者さんのニーズ、疾患の状態、患者さんの背景、予想される効果などを考慮しながら投与しています。アレルギー疾患も積極的に治療を進めています。
内分泌・乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:なし 135 10.42 10.30 0.74% 60.55
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 37 6.84 6.02 0.00% 58.62
090010xx011xxx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:あり 13 14.77 15.87 0.00% 52.85
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍-手術あり - - 4.13 - -
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍-その他の手術あり-処置2:なし - - 6.20 - -
当科では乳腺に関するトータルケアを行っています。乳腺に関するすべての疾患について診断・治療を行いますが、そのほとんどが乳がんです。近年は研究が進んできており、同じ乳がんでもその生物学的な特性に応じて治療法は随分異なります。われわれはその特性に応じた治療をご提案しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 168 8 22 33 27 28 1 8
大腸癌 111 36 52 33 8 48 2 9
乳癌 97 60 5 5 7 12 1 8
肺癌 133 34 52 72 62 92 1 8
肝癌 14 16 11 7 23 130 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌及び肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病期分類別、及び再発に分けて集計した結果を表しています。UICC病期分類とは、UICC(国際対がん連合)によって定められた、癌の進行度の分類(ステージ)です。当院は都道府県がん診療連携拠点病院として、5つの癌について大きな偏りなく診療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 4 12.75 62.25
中等症 13 15.54 73.38
重症 5 12.40 79.40
超重症 2 9.00 80.50
不明 - - -
成人市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎のことで、その重症度別に集計した結果を表しています。重症度が上がるのに比例して平均年齢が高くなる傾向があります。また、中等症の患者数が最も多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 72 19.56 73.32 32.53%
その他 11 16.91 66.73 2.41%
脳梗塞の患者数を発症日から「3日以内」と「その他」にわけて集計したものです。発症から3日以内の症例が多く、急性期の患者さんを多く診療していることが分かります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 10 0.00 25.90 10.00% 0.00
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K563 肺動脈絞扼術 - - - - -
K570-3 経皮的肺動脈形成術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) - - - - -
【新生児】
当院新生児集中治療室(NICU)では、年間約200人の入院患者を受け入れています。出生時体重を問わず入院の受け入れをしており、特に先天性疾患、染色体疾患などの当院でしか対応できないような重症新生児を、小児科だけでなく小児外科、小児心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、形成外科などと連携して、新生児の集中治療・管理を行っています。早産、低出生体重児、先天奇形症候群などのハイリスク新生児においては小児科医が24時間体制で分娩に立ち会い、新生児仮死に対して出生後の速やかな新生児蘇生を行い、その後の新生児集中治療室(NICU)での入院管理を行っています。

【先天性心疾患】
当院は小児循環器学会修練施設に認定されており、京都の心臓病患者の診断・治療を一手に引き受けています。小児心臓血管外科との共同診療体制により、先天性心疾患においては全国的にもトップクラスの治療成績をあげています。具体的には、令和2年(1/1~12/31)の心臓カテーテル検査件数は、診断カテーテル 111件、カテーテル治療 29件でした。コロナ禍で春先の入院件数が減少しましたが、最終的には例年の約8割の実績となっています。他大学病院・医療機関からの紹介によって、近畿圏は勿論、全国から患者さんを受け入れており、今後も患者数の増加が見込まれます。

【小児がん】
各種小児がん疾患に関しては、当院が小児がん拠点病院に指定されていること、手術、化学療法、陽子線治療を含む放射線治療が可能であり、全国から多数の患者さまを積極的に受け入れています。日本小児がん研究グループと連携し、臨床試験を含めた最先端の治療が提供可能です。治療にあたっては、多職種カンファレンスを実施し、治療後の生活も見据えた診療計画を立案し、治療にあたっております。難治症例に対しては、がん遺伝子パネル検査に基づいたがんゲノム診療も実施可能です。今後も合併症の軽減を目指した治療を推進していきます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) etc. 127 1.67 19.63 10.24% 70.26
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 47 1.55 15.55 23.40% 70.83
K0542 骨切り術(下腿) 33 1.00 22.64 3.03% 60.88
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) etc. 27 1.00 4.04 0.00% 55.19
K110-2 第一足指外反症矯正手術 27 1.33 18.96 0.00% 67.44
肩、肘、股、膝、足関節の様々な疾患に対して人工関節置換術を多く行っています。また、関節温存を目的とした骨切り術や関節鏡手術も行っており、患者さんに最適な手術方法を選択しています。脊椎疾患に対する手術では、内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲手術やコンピュータナビゲーションシステムを用いた手術など、安全で精度の高い除圧術や固定術を行っています。悪性骨軟部腫瘍に対しては効果的な手術療法と化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療を行い、患肢温存と生存率において良好な治療成績を上げています。外反母趾や扁平足など高度な足部変形に対して手術を行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4073イ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴う)(片側) 20 1.05 7.25 0.00% 8.80
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 14 1.00 5.14 0.00% 57.07
K4263 口唇裂形成手術(片側)(鼻腔底形成を伴う) - - - - -
K4072 顎・口蓋裂形成手術(硬口蓋に及ぶ) - - - - -
K4073ロ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴う)(両側) - - - - -
乳房再建・口唇口蓋裂形成などが主要手術疾患です。また、耳、手指・足趾など、あらゆる先天性疾患の手術に対応しています。可能なかぎり、整容・審美的な改善になるよう配慮しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 46 8.30 37.72 21.74% 58.04
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 14 0.71 11.29 14.29% 76.57
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍) 11 5.55 13.91 0.00% 50.82
K1742 水頭症手術(シャント手術) 11 5.00 11.82 36.36% 32.00
K1781 脳血管内手術(1箇所) 10 3.60 17.70 30.00% 63.20
当科ではグリオーマや転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍、また髄膜腫や神経鞘腫といった良性脳腫瘍に対し、ナビゲーションシステムや電気生理学的モニタリング、さらには覚醒下手術などの最先端治療技術を駆使し、確実な外科治療を実践している。下垂体腫瘍には内視鏡下経鼻手術を行い、迅速かつ低侵襲に治療する。高齢者に多い慢性硬膜下血腫については、速やかに手術を行い、早期の退院・社会復帰を目指す。頚動脈ステント留置術や血栓回収術などの脳血管内手術には、専門医資格を有するスタッフが24時間体制で対応する。水頭症に対しては、脳室あるいは腰椎腹腔シャント術、また内視鏡下第3脳室底開窓など様々な術式を駆使することで良好な治療成績を得ている。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの etc. 88 2.32 8.56 2.27% 71.22
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 34 1.68 4.56 0.00% 65.74
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 29 2.10 6.10 0.00% 70.86
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) - - - - -
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 - - - - -
肺悪性腫瘍、縦隔腫瘍に対し、胸腔鏡及び手術支援ロボットを用いて根治手術を行っています。気胸手術については年齢や病状に応じた術式で手術を行なっています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 34 2.21 8.88 0.00% 82.03
K5551 弁置換術(1弁) 30 8.30 20.77 0.00% 71.67
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) 17 3.12 15.94 0.00% 71.35
K5542 弁形成術(2弁) 12 6.08 24.92 8.33% 66.75
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 11 6.00 23.46 0.00% 71.00
虚血性心疾患や弁膜症などの心臓の病気や、大動脈瘤や末梢血管など血管の病気を、外科的に治療しています。 1番目と5番目は、弁膜症に対する弁置換術や弁形成術などの手術です。弁膜症とは、心臓内に血液の逆流防止のためについている 弁の疾患であり、これらに対して自己の弁を温存して治す弁形成術や、悪い弁を取り替える弁置換術を行います。当院ではできるだけ自己組織を温存し、抗凝固薬を必要としない弁形成術を行い、これが困難な場合には人工弁を用いた置換手術を行います。大動脈瘤に対しては患者さまの状態に応じて、カテーテルによる低侵襲的治療と従来の開胸開腹手術を提供させていただいております。冠動脈バイパス術においては人工心肺を用いない、オフポンプバイパス術を積極的に行なっております。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 50 1.06 1.20 0.00% 3.64
K836 停留精巣固定術 38 1.03 1.11 0.00% 1.84
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 19 1.00 1.00 0.00% 5.37
K6333 臍ヘルニア手術 11 1.18 1.64 0.00% 3.82
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - -
小児外科手術で最も多い鼠径ヘルニアの手術は、そけい法と腹腔鏡法の両方を施行しています。親御さんの希望や、お子様の体格や基礎疾患の有無、対側発症検索の必要性などの要件で決定しています。停留精巣手術は、疾患の状況に応じて手術方法をきめ細かく決定しています。臍ヘルニア手術は、整容性の面からも重要ですが、お子様の健全な生育のために行うべき手術です。将来の成長を見据えた形成術を行って。当科で取り扱う緊急手術で最も多いのが急性虫垂炎手術で全例腹腔鏡で施行しています。お子様の病悩期間=入院期間が最も短くなるように、緊急手術を積極的に行っています。また、新生児手術件数や小児腫瘍手術件数はそれぞれ京滋最多を誇っており、緊急手術は24時間365日必ず対応しています。
小児心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5541 弁形成術(1弁) 13 8.92 12.69 0.00% 8.31
K5702 肺動脈狭窄症、純型肺動脈弁閉鎖症手術 右室流出路形成又は肺動脈形成を伴うもの etc. - - - - -
K5551 弁置換術(1弁) - - - - -
K5761 心室中隔欠損閉鎖術(単独) - - - - -
K5801 ファロー四徴症手術(右室流出路形成術を伴う) - - - - -
小児心臓血管外科における手術内容は心室中隔欠損閉鎖術や心房中隔欠損閉鎖術、ファロー四徴症手術など発生頻度の多い先天性心疾患から単心室症や三尖弁閉鎖症に対するグレン手術・フォンタン手術、左心低形成症候群に対するノーウッド手術、肺動脈閉鎖症に対するラステリ手術、完全大血管転位症に対する動脈スイッチ手術など、軽症から重症度の高い複雑心疾患手術まで、あらゆる術式に及んでいます。また当院独自開発の術式(左室流出路狭窄・心室中隔欠損を伴う大血管転位症に対するハーフターン・トランカルスイッチ手術、部分肺静脈還流異常症に対するダブルデッカー法、Gore-Tex弁付き導管による右室流出路再建術など)や先天性大動脈弁疾患に対するロス手術なども積極的に行なっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの etc. 90 1.00 4.24 0.00% 40.39
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 etc. 80 1.00 4.19 0.00% 47.88
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 31 1.00 4.42 0.00% 38.97
K879 子宮悪性腫瘍手術 27 1.00 10.96 0.00% 61.07
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 26 1.77 8.39 0.00% 54.46
子宮内膜症(子宮付属器摘出術や子宮全摘術)に対する腹腔鏡下手術が上位を占めております。腹腔鏡下手術は当科の特色の一つです。他院では困難と思われる症例でも積極的に腹腔鏡手術を行っており、良好な治療成績を得ています。また晩婚・晩産化に伴い、子宮の温存を希望する症例が増えています(子宮筋腫核出術)。子宮悪性腫瘍(子宮頸癌・子宮体癌)についても紹介例が徐々に増加傾向です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 210 0.99 1.16 1.43% 73.20
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 191 0.53 5.41 0.00% 63.37
K2683 緑内障手術(濾過手術) 139 0.89 10.47 1.44% 71.55
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 57 0.86 1.58 0.00% 69.74
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 57 0.70 4.56 5.26% 68.35
白内障手術は水晶体を取り除いて人工レンズに入れ替えることで見え方が回復します。当院では、保険診療内の手術のみならず、選定療養による多焦点眼内レンズ挿入術にも対応しています。緑内障は点眼で眼圧が管理できないとき、バイパスを作って眼圧を下げる手術をします。硝子体は眼のなかの透明なゼリーで、混濁したり、網膜を引っ張ったりしている場合には取り除くことが治療になります。角膜移植、斜視手術、眼瞼手術、眼窩手術、涙道手術などの手術に対応しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わない) 31 1.07 5.71 0.00% 51.16
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 27 1.00 5.93 0.00% 35.11
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 26 1.00 4.77 3.85% 68.81
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 16 6.13 19.38 0.00% 70.13
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 15 2.07 2.93 0.00% 29.80
甲状腺癌の手術は頭頸部にできる悪性腫瘍手術としては最も多く、専門病院として機能温存を期して手術治療をおこなっています。口蓋扁桃扁桃摘出は耳鼻咽喉科の基本的術式ですが、慢性扁桃炎に加え、IgA腎症への扁桃摘出も積極的に行っています。副鼻腔内視鏡手術は主に副鼻腔炎に対する低侵襲手術ですが、時として発生する鼻副鼻腔悪性腫瘍に対しても機能温存の観点から施行可能です。頭頸部悪性腫瘍の治療のために経口摂取ができず、栄養不良になったり、治療を完結できないことを防ぐため、消化器内科とともに内視鏡による胃瘻増設を行っています。慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎などにたいし、手術顕微鏡下に鼓室形成術を行っています。場合によっては、より低侵襲の内視鏡手術も行っています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 10 0.90 1.20 0.00% 67.30
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 - - - - -
K1262 骨盤骨(軟骨)組織採取術(試験切除)(その他) - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
内臓動脈瘤や動静脈奇形に対する血管塞栓術を行なっています。低侵襲であり短期入院での施行が可能です。腹部腫瘍の陽子線治療用の金属マーカー留置を行なっています。血管内または経皮的に留置しており、症例ごとに安全かつ確実に留置できる方法を検討し、最適な方法で留置を行っています。 骨軟部などの超音波ではアプローチが難しい部位の腫瘍性病変に対して、CTガイド下生検をおこなっています。低侵襲であり短期入院での施行が可能です。中心静脈用カテーテルの留置を行っています。必ず画像ガイドで施行しており、安全かつ迅速に留置でき、術中の負担も軽減できます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 77 1.27 6.97 1.30% 71.99
K6262 リンパ節摘出術(長径3cm以上) - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) - - - - -
K013-22 全層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - -
皮膚がんに対する手術(皮膚悪性腫瘍切除術、四肢・躯幹軟部悪性腫瘍切除術、女子外性器悪性腫瘍切除術等)を多数行っています。一番症例が多かった皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)には、センチネルリンパ節生検や植皮術、皮弁作成術を同時におこなった症例が含まれています。また、熱傷や外傷、難治性皮膚潰瘍に対する植皮術も積極的に行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 166 0.00 1.00 0.00% 73.04
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 77 1.79 3.25 0.00% 76.03
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 49 1.22 11.88 0.00% 68.51
K773-4 腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固) 41 4.07 4.27 0.00% 72.20
K773-5 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 40 2.90 8.85 0.00% 63.60
前立腺癌に対しては患者さんの全身の状態や癌の状態を考慮し、ロボット支援手術のみならず、陽子線治療も積極的に施行しています。膀胱腫瘍については、低侵襲的な内視鏡下切除術による臓器温存を、腎腫瘍に対しては、最先端のロボット支援による部分切除手 術、および、さらに低侵襲な経皮的腎腫瘍の凍結治療を、積極的に取り入れ、京都府下のみならず、広く関西圏からも、これらの体に優しい腎機能温存治療を目的に紹介患者が多数希望されています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 125 7.15 7.92 29.60% 85.48
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 120 1.59 2.78 0.00% 65.33
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 117 0.92 1.29 0.00% 73.91
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 58 2.10 5.79 13.79% 73.91
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 45 3.49 3.24 8.89% 61.00
当院では経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術)、経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ)、経皮的冠動脈ステント留置術(その他)、四肢の血管拡張術・血栓除去術を実施しています。いずれの手術についても、心臓血管外科との密接な連携を重んじ、治療方法の選択に難渋するケースにおいては、定期的なハートチームカンファレンスの場で、各分野のスペシャリストが納得いくまで話し合い治療方針を決定していることが当科の特徴であり強みでもあります。
移植・一般外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 12 0.33 1.00 0.00% 73.00
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) - - - - -
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(副甲状腺摘出術) - - - - -
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -
腎移植術以外に、膵臓移植術や一般外科として内視鏡を用いた鼠径ヘルニア修復術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 232 0.33 1.01 0.00% 67.89
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 175 1.11 6.44 4.00% 71.71
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 137 1.00 5.20 0.00% 73.00
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 97 0.99 3.91 0.00% 68.19
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術) 70 1.00 5.06 0.00% 69.60
最も患者数が多いのは、内視鏡的大腸ポリープ切除術で、一般的にポリペクトミーと言われている治療で、日帰りもしくは1泊2日の入院で行っています。続いて、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、早期大腸がんに対するESD、膵癌や胆道癌に対する内視鏡的胆道ステント留置術、早期食道がんに対するESDと、すべて悪性疾患に対する治療です。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 73 3.25 9.88 1.37% 68.49
K529-3 縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術 etc. 41 5.12 39.71 7.32% 68.05
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術 低位前方切除術 etc. 27 2.89 11.89 0.00% 68.44
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 26 2.46 4.85 3.85% 59.08
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) etc. 24 2.33 7.92 4.17% 63.71
結腸がん、食道がん、直腸がん、胃がんのいずれに対しても腹腔鏡(食道の場合は“縦隔鏡”と呼びます)を用いたからだに優しい(低侵襲な)手術を、それぞれの分野の専門医が行っています。腹腔鏡による手術は、従来の手術よりも切開創が小さくできるため、手術後の痛みが軽く、回復も早い傾向にあります。また、切開創がほとんどわからなくなる症例もあり、整容性に優れています。直腸がん、胃がんに対してはロボット支援下手術を保険診療で行っています。また、食道がんに対する縦隔鏡下食道切除術は、当科が全国に先駆けて導入した手術法であり、肺炎などの手術後合併症を減らすことができます。
内分泌・乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 86 1.94 7.28 0.00% 62.23
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 37 1.92 3.92 0.00% 58.62
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 34 1.77 8.94 2.94% 61.91
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) 10 1.80 8.40 0.00% 58.80
K4768 乳腺悪性腫瘍手術(乳輪温存乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 10 1.80 9.90 0.00% 46.80
当科の特徴は以下のような乳房同時再建手術を併用した乳がん手術を随時受けていただける点です。
●乳頭乳輪温存乳腺全摘術:乳頭、乳輪を残して乳腺を全て取り除く手術です。
●乳房温存手術:比較的小さなしこりに対して行います。
●乳房切除術:乳頭を含めた乳房の全摘出を行います。
●自家組織による乳房同時再建手術;形成外科と合同で実施します。
●センチネルリンパ節生検;RI法・色素法の併用法により同定率98%
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.01%
異なる 24 0.18%
180010 敗血症 同一 19 0.15%
異なる 18 0.14%
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.01%
異なる 3 0.02%
180040 手術・処置等の合併症 同一 74 0.57%
異なる 3 0.02%
DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の患者さんの人数と発生率を表したものです。入院の契機となった病名と、医療資源を最も必要とした病名が同一か否かに分類して集計しています。
更新履歴
2021年10月1日
初版掲載
2021年10月11日
DPC名称の修正