令和元年度 京都府立医科大学附属病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 1739 623 491 571 1113 1749 3029 4468 1984 225
　昨年度に当院を退院した患者さんの人数を10歳刻みの年齢階級別に集計したものです。
　60代、70代の患者数が多く、全体の46.9％を占めています。
　平成30年度と比較すると、10代と60代を除く年齢階級で患者数が増えており、全体では62人増加となっています。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 内視鏡的大腸ポリープ切除術 313 2.10 2.63 0.00 66.63
060020xx04x0xx 早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD） 175 7.14 8.27 0.00 71.71
060340xx03x00x 経皮的もしくは内視鏡的胆管治療 145 7.33 9.79 4.14 69.42
060035xx03xxxx 早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD） 108 6.46 6.98 0.00 71.17
060010xx02x00x 早期食道癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD） 83 7.07 8.78 0.00 70.80
　当院には多数の連携機関があり、多数の患者さんの紹介があります。中でも、外科的手術と比べ低侵襲な内視鏡や血管内治療など、高度な医療が必要とされる患者さんが多く、その理由として、当科ではそれぞれの治療法ごとにチームを結成し、多数の患者さんに高度で均一なレベルでの医療を提供できるよう心がけていることが挙げられます。最も患者数が多いのが内視鏡的大腸ポリープ切除術、つづいて、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）、経皮的もしくは内視鏡的胆管治療、早期大腸がんに対するESD、早期食道がんに対するESDと、すべて悪性疾患に対する治療です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症・心筋梗塞に対する冠動脈形成術　ステント留置 177 2.69 4.40 0.56 70.74
050070xx01x0xx 不整脈に対するカテーテルアブレーション 174 4.76 5.02 0.00 63.80
050080xx97010x 大動脈弁狭窄に対するカテーテル弁留置術（TAVI） 144 18.13 19.05 28.47 85.54
050050xx99100x 狭心症・心筋梗塞の疑いで実施したカテーテル検査（手術なし） 132 2.56 3.01 0.00 70.84
050210xx97000x 徐脈性不整脈に対するペースメーカー留置術 50 8.26 10.80 4.00 78.36
　生活習慣病、人口の高齢化に伴い、心血管疾患が増加しています。できるだけ侵襲が低く短時間で診療ができるよう、検査や診療において全疾患をカバーしています。特にカテーテルによる大動脈弁置換術は、全国屈指の症例数で安全な治療を実践しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎臓病の精密検査（採血・画像など）、食事療法 115 7.36 11.67 4.35 64.35
110280xx991x0x 慢性腎炎の精密検査（腎生検） 45 7.76 7.00 0.00 54.60
110280xx99010x 慢性腎不全の血液透析導入 20 10.55 14.23 10.00 72.90
110280xx99020x 慢性腎不全の腹膜透析導入 11 10.64 8.99 0.00 54.36
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群の検査、治療 ‐ ‐ 20.93 - -
　腎臓内科では、慢性腎臓病や糸球体腎炎を中心に、急性腎障害、高血圧、電解質異常などの診療を行っています。
　糸球体腎炎、ネフローゼ症候群に対しては、腎生検による診断から治療まで行っています。症例数の多い慢性腎臓病については、その原因や悪化因子は様々で、個々の患者さんの状態を把握し、病状・治療についての情報提供や栄養指導を行う教育入院を行っています。病状が進行した方に対しては、腎代替療法として血液透析、腹膜透析、腎移植の選択から導入についても、移植一般外科と協力しながら行っており、最近では腹膜透析を選択される患者さんも増えてきています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 165 3.37 3.34 0.00 70.01
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等１あり 27 2.00 2.03 0.00 62.56
040040xx99041x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２４あり 副傷病あり 25 14.84 16.87 0.00 69.20
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 19 13.00 9.59 5.26 69.89
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２８あり 14 15.43 10.59 0.00 65.50
　呼吸器内科の入院患者では原発性肺癌が最も多く、気管支鏡検査により確定診断を得ています。気管支鏡検査では超音波内視鏡だけでなく、クライオバイオプシーも導入し、高い診断率を達成しています。治療では多くの抗がん薬物を用いて標準治療を実施するだけでなく、呼吸器外科、放射線科と協力して集学的治療を行い、臨床試験や治験にも積極的に参加しています。その他、ポリソムノグラフィーによる睡眠時無呼吸症候群の診断や呼気NO測定によるアレルギー性気道炎症の診断など、さまざまな呼吸器疾患の診療に取り組んでいます。
内分泌・糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x100 ２型糖尿病（糖尿病性ケトアシドーシスを除く。）（末梢循環不全あり。） 手術なし 手術・処置等２１あり 副傷病なし85歳未満 14 11.21 14.10 0.00 66.86
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 副傷病なし 12 5.08 6.24 0.00 55.75
100070xx99x100 ２型糖尿病（糖尿病性ケトアシドーシスを除く。）（末梢循環不全なし。） 手術なし 手術・処置等２１あり 副傷病なし85歳未満 10 12.80 13.72 0.00 66.70
100071xx99x110 ２型糖尿病（糖尿病性ケトアシドーシスを除く。）（末梢循環不全あり。） 手術なし 手術・処置等２１あり 副傷病あり85歳未満 - - 14.74 - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 13.41 - -
　2型糖尿病だけでなく1型糖尿病も含め、糖尿病発症時やコントロール悪化時、また糖尿病合併症予防のために、生活の見直し、治療方針の見直しなどを行う教育入院を行っています。急性期の糖尿病救急疾患の治療も積極的に行っています。内分泌疾患は、副腎疾患を中心に、下垂体や甲状腺疾患の検査や治療のための入院を行っています。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 143 16.56 15.79 0.00 69.73
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等２４あり 副傷病なし 57 24.96 31.30 0.00 70.18
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等２３あり 副傷病なし 37 12.38 16.50 0.00 69.43
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等２２あり 27 34.26 39.36 0.00 63.41
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等２５あり 27 24.37 22.79 0.00 65.96
　血液内科では、造血器悪性腫瘍をはじめ、貧血、凝固異常症などあらゆる血液疾患に対する診療を行っています。頻度の高い疾患は非ホジキンリンパ腫、急性白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患であり、その他の稀な疾患の診療も含め幅広く行っています。
　主な診療は、化学療法（抗がん剤治療）、放射線療法、分子標的治療（がんの増殖に必要な特定の分子を標的とした治療法）であり、骨髄バンク認定施設として造血幹細胞移植も積極的に行っています。
　近年、外来通院での実施が可能な化学療法も増えてきており、できるだけ患者さんの日常生活を維持しながらの治療を目指しています。
　当科では、血液専門医・指導医、造血細胞移植認定医、輸血・細胞治療認定医、がん薬物療法専門医など、各領域の専門医の主導のもと、看護師、薬剤師、移植コーディネーターといった多職種から成るチームで診療を行っています。それぞれの患者さんに対し、診断から初回、再発治療あるいは緩和的治療に至るまで、最新のエビデンスに基づいた最適な診療を心がけています。
リウマチ科、アレルギー科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 関節リウマチ・膠原病疾患で入院（感染症以外での入院、生物学的製剤投与なし） 63 19.75 15.48 4.76 61.22
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等２なし 12 19.17 18.84 8.33 68.42
070560xx99x01x 関節リウマチ・膠原病疾患治療中の感染症での入院 10 31.00 25.61 0.00 61.40
070560xx99x6xx 関節リウマチ・膠原病疾患で入院（感染症がメインではない）、Bioあり 10 30.90 25.15 20.00 66.7
070560xx97x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術あり 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 26.18 - -
　膠原病・リウマチ・アレルギー科では自己免疫性疾患、リウマチ性疾患、アレルギー性疾患の診療に当たっています。対象疾患としては、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、血管炎症候群などの自己免疫性疾患、および関節リウマチです。
　リウマチ専門医・指導医が診断・治療にあたり、それぞれの患者さんに最適な治療をチームで総合的に検討しながら治療に当たっています。
　関節リウマチの診療についてはリウマチセンターを併設し、整形外科とともに積極的に行っており、生物学的製剤および新規低分子治療薬なども患者さんのニーズ、疾患の状態、患者さんの背景、予想される効果などを考慮しながら投与しています。アレルギー疾患も積極的に治療を進めています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満） 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 47 17.94 16.13 27.66 68.55
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等２なし 副傷病なし 19 17.26 13.70 5.26 68.63
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等２あり 副傷病なし 16 15.31 17.31 6.25 65.25
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等２４あり 副傷病なし ‐ ‐ 15.90 ‐ ‐
010130xx99x4xx 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等２４あり ‐ ‐ 17.16 ‐ ‐
　当科の特徴は脳梗塞およびてんかんといった急性疾患から多発性硬化症、重症筋無力症、CIDPといった免疫介在性神経疾患、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患・神経難病など多彩な神経疾患に対応している点です。最も多い疾患は脳梗塞であり、t-PAによる超急性期治療も行っております。急性期治療後は回復期リハビリテーション病院と連携して円滑な機能回復を図るとともに二次予防を継続しています。免疫介在性神経疾患、基底核などの変性疾患、運動ニューロン疾患およびてんかんは近年、著しい治療の発展がみられますが、それぞれの疾患群を専門医の主導のもとに最新のエビデンスに基づいた治療を提供しております。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸がん、結腸切除術 63 12.98 15.02 3.17 69.48
060340xx99x00x 胆管（肝内外）結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 60 6.88 9.68 1.67 71.60
060020xx02x00x 胃がん、胃切除術 47 13.74 16.12 0.00 66.81
060335xx02000x 胆嚢結石等、　腹腔鏡下胆嚢摘出術 41 5.85 7.13 2.44 63.34
060050xx02x00x 肝臓がん、肝臓切除術 35 12.14 13.74 0.00 68.03
　大腸がんは本邦では消化器がんの中で最も患者数が多く、増加傾向にあります。当院では大腸がん手術の9割以上を腹腔鏡手術で実施しており、最近は直腸がんに対するロボット手術も行っています。胃がんに対する手術は約65％に腹腔鏡手術を実施し、ロボット手術も早期がんに行っています。
　当院では、がんに対する手術だけでなく胆嚢結石症や胆嚢炎といった良性疾患に対する手術も行っており、そのほとんどが腹腔鏡下手術です。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症（連合弁膜症を含む。） ロス手術（自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術）等 手術・処置等１なし 手術・処置等２１あり 副傷病なし 62 27.48 23.77 14.52 71.02
050163xx03x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等２１あり 副傷病なし 24 12.08 15.67 4.17 79.54
050080xx0111xx 弁膜症（連合弁膜症を含む。） ロス手術（自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術）等 手術・処置等１１あり 手術・処置等２１あり 20 39.00 36.47 10.00 74.80
050163xx02x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術（吻合又は移植を含む。）　腹部大動脈（分枝血管の再建を伴うもの）等 手術・処置等２１あり 副傷病なし 18 16.83 19.82 0.00 68.44
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等２なし 18 11.06 11.75 0.00 81.44
　虚血性心疾患や弁膜症などの心臓の病気や、大動脈瘤や末梢血管など血管の病気を、外科的に治療しています。
　１番目と３番目は、弁膜症に対する弁置換術や弁形成術などの手術です。弁膜症とは、心臓内に血液の逆流防止のためについている弁の疾患であり、これらに対して自己の弁を温存して治す弁形成術や、悪い弁を取り替える弁置換術を行います。当院ではできるだけ自己組織を温存する弁形成術を行い、これが困難な場合には人工弁を用いた置換手術を行います。
　２番目に多いのは大動脈瘤に対するステントグラフトによる治療です。大動脈瘤は、血液を全身へ送るパイプの役割をしている大動脈が瘤状にふくれる病気であり、ステントグラフトと呼ばれる、人工血管をたたんでカテーテルで瘤の部分に進め人工血管を広げる血管内治療を行っています。通常の開胸開腹手術と比較すると、鼠径部の小さな傷だけで行う事ができ、手術後の回復も早いため、高齢の方や合併疾患をお持ちの方にも行うことができます。若い体力のある方に対しては開胸開腹手術を行い、患者さんの状態に応じて最適な治療を選択します。
　狭心症・心筋梗塞に対して行う冠動脈バイパス手術についてもできる限り人工心肺を用いずに心臓を止めずに行うバイパス手術を第一選択としています。
　このように、近年の高齢化・ハイリスク化に対応して、できるだけ患者さんの負担を減らす手術を心がけています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等２なし 133 10.89 11.51 0.75 70.21
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 55 3.49 3.34 0.00 71.64
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 15 2.87 9.59 0.00 67.80
040040xx97x10x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等２１あり 副傷病なし 13 21.54 18.95 23.08 69.15
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２５あり ‐ ‐ 20.04 ‐ ‐
　肺悪性腫瘍に対し、高精細度モニターを用いた完全胸腔鏡下に根治手術を行っています。肺癌及び転移性肺腫瘍に対して、解剖学的切除を行っています。
内分泌・乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術　乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴うもの（内視鏡下によるものを含む。））等 手術・処置等２なし 147 10.70 10.34 0.68 59.85
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術　乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴わないもの） 手術・処置等２なし 37 7.14 6.10 0.00 62.57
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等２なし - - 6.48 - -
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２８あり - - 4.87 - -
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 3.94 - -
　内分泌・乳腺外科ではほぼすべての患者さんが乳腺疾患で、特に乳癌を専門としています。乳腺に関するトータルケアを行っており、特に乳癌に関しては診断・手術・化学療法・再発治療など全ての診療を行っています。
移植外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア（15歳以上） ヘルニア手術　鼠径ヘルニア等 23 3.00 4.85 0.00 72.26
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術　その他の動脈等 手術・処置等２なし 副傷病なし 10 2.20 8.48 0.00 64.90
110280xx01x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 手術・処置等２なし - - 7.88 - -
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 11.67 - -
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術　腹壁瘢痕ヘルニア等 - - 8.05 - -
　腎不全治療として腎移植を積極的に行っており、必然的に透析療法及び内シャント形成術を実施しています。そして、関西では有数の腎移植を実施しています。また、一般外来として内視鏡を用いた鼠径ヘルニア修復術も行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
140140xxxxxxxx 口唇裂・口蓋裂などの先天性顔面疾患 28 9.04 9.23 0.00 8.11
090010xx04xxxx 乳房の再建（人工物） 25 8.40 8.03 0.00 52.52
090010xx03xxxx 乳房の再建（自家組織） - - 16.47 - -
080007xx010xxx 皮膚腫瘍の切除 - - 4.01 - -
070520xx97xxxx リンパ浮腫 - - 8.71 - -
　形成外科では、体表の傷口や変形を確実にきれいに治すことを念頭に治療にあたっています。特に代表的な疾患として、乳がんの切除に伴う乳房の欠損・変形に対して腹部や背部の脂肪を利用する自家組織再建と、組織拡張器やシリコンインプラントを利用する人工物再建との双方を行っています。
　また、先天性疾患である口唇裂・口蓋裂に対しては、乳児期から大人になるまで、口唇形成術・鼻形成術・口蓋形成術・顎裂部骨移植術などを行っています。
　耳・手指・足趾などあらゆる先天性疾患に対応しています。
　皮膚のできものなどのありふれた疾患にも整容性を重視した治療を行っています。
　リンパ浮腫に対しても手術治療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 51 3.14 3.01 1.96 60.94
010010xx01x00x 脳腫瘍（手術など） 38 29.21 21.14 28.95 50.92
010070xx9910xx 脳血管障害 37 3.00 3.14 0.00 74.00
010040x099000x 脳出血 26 16.81 18.81 53.85 67.31
010010xx99000x 脳腫瘍（放射線化学療法など） 23 9.35 11.27 26.09 61.61
　脳梗塞、脳出血やくも膜下出血等の脳血管障害については、24時間受入可能な体制を構築し、急性期の診断・治療と早期リハビリにより機能予後の改善につとめています。未破裂脳動脈瘤は近隣施設より数多くの紹介があり、外科治療の適応については患者さん、ご家族と十分時間をかけて相談した上で決定します。当施設ではグリオーマなど悪性脳腫瘍の診断、治療を得意としており、手術、放射線治療や化学療法を含めた集学的治療に積極的に取り組んでいます。慢性硬膜下血腫に対しては、速やかに手術を行い早期離床を進めることで、患者さんの早期退院および社会復帰を可能としています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症（変形性を含む。） 人工関節再置換術等 94 26.10 21.53 8.51 67.13
070230xx01xxxx 膝関節症（変形性を含む。） 人工関節再置換術等 58 23.34 23.56 20.69 74.59
070210xx01xxxx 下肢の変形 骨切り術　前腕、下腿等 53 23.94 22.01 3.77 49.11
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍（脊椎脊髄を除く。） 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等１なし 副傷病なし 51 9.49 5.41 0.00 43.98
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄（脊椎症を含む。）　腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等２なし 47 19.98 16.54 8.51 69.43
　変形性関節症（肩、股、膝関節）に対して機能再建を目的とした人工関節置換術の豊富な症例数があります。また、関節疾患の病状に応じて、関節の温存を目的とした様々な骨切り術や関節鏡を用いた手術も行っています。脊椎疾患に対する手術では、内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲手術やコンピュータナビゲーションシステムを用いた手術など、安全で精度の高い除圧術や固定術を行っています。変形が高度な外反母趾に対しては矯正手術を行っています。悪性骨軟部腫瘍に対しては効果的な手術療法と化学療法、放射線療法を組わせた集学的治療を行い、患肢温存と生存率において良好な治療成績を上げています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２４あり 副傷病なし 109 4.47 4.58 0.00 59.38
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 102 5.91 6.09 0.00 42.56
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術（腟式を含む。）　腹腔鏡によるもの等 49 5.96 6.21 0.00 40.55
120100xx01xx0x 子宮内膜症 子宮全摘術等 副傷病なし 43 6.26 7.37 0.00 38.63
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部（腟部）切除術等 手術・処置等２なし 34 3.59 3.13 0.00 37.50
　産婦人科は周産期（産科）、腫瘍（婦人科）、生殖内分泌（不妊治療）、女性医学（更年期症候群や性感染症など）からなる非常に幅広い領域で女性の健康をトータルにサポートしています。各領域には、専門資格と豊富な経験を有するスタッフが直接治療に当たることで高度な医療を提供できるよう心がけています。
　当院での悪性腫症例数が徐々に増えていることに伴い、抗がん剤治療症例数も増えています。今回の病院指標で上位であった理由は、抗がん剤の初回投与中に薬剤アレルギー発症リスクがあるため入院管理していることが影響していると考えられます。また、子宮内膜症に対する研究や臨床は、全国的にも評価されており、日本国内から多数の患者さんを紹介いただいております。それらは比較的難治症例が多いにもかかわらず、平均在院日数が示しますように、安全に遂行できています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 339 3.14 2.78 0.00 73.28
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 253 7.06 7.53 0.40 67.66
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 214 7.61 9.33 0.93 53.35
020150xx97xxxx 斜視（外傷性・癒着性を除く。） 手術あり 72 3.00 3.17 0.00 20.38
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 58 5.78 6.71 0.00 69.72
　白内障は目の中にあるレンズが濁る病気です。年齢とともにほとんどの人がかかります。緑内障は目の内圧が高くなり、見える範囲が狭くなる病気で、年齢とともに多くの人で発症します。両目の位置、まぶた、目の中のゼリーである硝子体、目のフィルムである網膜、目のまわりの骨折、腫瘍など、小さい領域ですが驚くほど多様な目の病気すべてに対応しています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 悪性黒色腫以外の皮膚がんに対する手術療法 86 6.99 7.90 1.16 74.86
080270xxxx0xxx アレルギーの検査 40 2.45 2.48 0.00 27.23
080006xx99x3xx 悪性黒色腫以外の皮膚がんに対する手術以外の治療 38 2.32 9.55 0.00 74.45
080005xx01x0xx 悪性黒色腫に対する手術療法 29 10.10 12.62 0.00 67.00
080010xxxx0xxx 蜂窩織炎や丹毒などの皮膚感染症 24 11.08 12.55 12.50 54.33
　悪性黒色腫をはじめとする皮膚がんに対して手術療法、化学療法、放射線療法等による集学的治療を数多く行っています。（外来化学療法センターで行っている免疫チェックポイント阻害剤や一部の抗がん剤による治療は本指標に含まれていません。）また、薬物や食物によるアレルギーの負荷試験の一部を入院で行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx03xxxx 前立腺癌に対する陽子線治療のためのマーカー留置術 141 2.04 2.82 0.00 72.00
110070xx0200xx 経尿道的内視鏡的膀胱悪性腫瘍手術 89 6.65 7.07 0.00 73.30
110080xx991x0x 前立腺針生検 80 2.19 2.49 0.00 70.63
11001xxx01x0xx 腎癌および腎尿管癌に対する手術 78 11.23 11.14 0.00 65.49
110080xx9907xx 前立腺の悪性腫瘍に対する小線源内放射線治療 47 4.15 4.06 0.00 70.32
　体に優しい、生活の質を維持できる、低侵襲な、新しいがん治療の選択肢（内視鏡下手術、腹腔鏡下手術、内放射線治療、陽子線治療など）を、従来の標準とされる侵襲的な治療選択肢（全摘手術、外放射線治療など）と、ともに患者さんに提示し、「がんの制御」と「生活の質」の維持の両立を図ることを積極的に進めています。その治療選択肢の適切な判断が重要であり、最新の画像診断および精度の高い診断技術も導入し、治療成績の向上を実現しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍手術 100 14.52 13.11 2.00 68.73
030150xx97xxxx 唾液腺腫瘍手術 52 6.27 7.24 0.00 56.00
030350xxxxxxxx 副鼻腔内視鏡手術 50 6.92 6.80 0.00 58.58
100020xx010xxx 甲状腺癌手術 47 9.6 8.44 0.00 58.57
030230xxxxxxxx 扁桃摘出 39 7.72 7.80 0.00 28.23
　頭頸部腫瘍外科として頭頸部悪性腫瘍、唾液腺腫瘍、甲状腺悪性腫瘍の手術を専門病院として多数の症例に対して行っています。機能温存的な手術術式を開発し実践し、在院日数もできる限り短縮しています。
　耳鼻咽喉科の一般的な手術として、慢性副鼻腔炎に対する副鼻腔内視鏡手術、扁桃摘出も多くの症例に対して施行しています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 20 2.95 3.34 0.00 73.50
100020xx99x2xx 甲状腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２２あり 14 3.93 6.31 0.00 63.64
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。） その他の手術あり 手術・処置等２なし 副傷病なし 10 3.10 10.25 0.00 77.00
050200xx99xxxx 循環器疾患（その他） 手術なし - - 7.12 - -
040010xx99x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等２なし - - 6.37 - -
　肺や縦隔、腹部などのエコーではアプローチが難しい部位の腫瘍性病変に対して、CTガイド下生検をおこなっています。低侵襲であり短期入院で可能です。
　腹部腫瘍の粒子線治療用の金属マーカー留置を行なっています。症例ごとに安全かつ確実に留置できる方法を検討し、最適な方法で留置を行っています。
　内臓動脈瘤や動静脈奇形に対する血管塞栓術を行なっています。
　また当院では甲状腺癌術後に行う放射性ヨード内用療法を入院にて施行可能です。ヨード内容療法を入院で施行している病院は本邦でも限られており、当院はその中の一つになります。当院では年間最大20名程度の入院受け入れが可能で、令和元年度は計14名の入院ヨード内用療法を行いました。令和2年度はほぼ受け入れ枠上限に達する見込みです。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等１あり 81 1.02 2.15 0.00 2.36
14031xx09910xx 先天性心疾患（動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。）（1歳以上） 手術なし 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 64 6.06 4.18 0.00 7.03
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等１なし 37 1.08 2.48 0.00 6.78
100250xx99100x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等１あり 手術・処置等２なし 副傷病なし 33 2.82 3.65 0.00 6.39
010010xx99000x 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 27 1.19 11.27 0.00 6.59
　食物アレルギーは、乳幼児の約10%、児童・生徒の約5%に認める頻度の高い疾患です。以前は、少しでも症状がある、血液検査で特異的IgE陽性であると除去されることが一般的でしたが、現在は経口負荷試験によりアレルギーがあるのか、また少量でも症状なく摂取できる量があるのかを確かめることで、必要最小限の食物除去（食事指導、経口免疫療法）が行われています。一方で経口負荷試験による重篤なアナフィラキシーの誘発も問題となっています。当院では、地域医療連携を通じて地域の先生方より、強いアナフィラキシー症状のため摂取ができない食物アレルギー児の紹介を数多くいただき、リスクを評価した食物経口負荷試験を実施し（入院負荷試験：平成30年度140件、令和元年度108件）、安全な摂取量を確認し、開始することによる食生活の改善や耐性獲得を目指しています。
　当院は小児循環器学会修練施設に認定されており、京都の心臓病患者の診断・治療を一手に引き受けています。小児心臓血管外科との共同診療体制により、先天性心疾患においては全国的にもトップクラスの治療成績をあげています。具体的には、令和元年（1/1～12/31）の心臓カテーテル検査件数は、診断カテーテル 139件、カテーテル治療 52件、循環器内科との合同カテ（治療）4件でした。カテ―テル治療が2年連続で50件を超えており、ほぼ週１件はカテーテル治療を行っている計算となります。他大学病院・医療機関からの紹介によって、近畿圏は勿論、全国から患者さんを受け入れており、今後も患者数の増加が見込まれます。
　脳腫瘍をはじめ各種小児がん疾患に関しては、当院が小児がん拠点病院に指定されていること、陽子線センターを開設していることから、積極的に受け入れています。小児科、脳神経外科、放射線科、看護部を含めた多職種カンファレンスを実施し、治療計画を立案実行しています。小児脳腫瘍に副作用の少ない陽子線治療を行っています。今後も合併症の軽減を目指した治療を推進していきます。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア・陰嚢水腫　手術　 79 3.11 2.81 0.00 4.01
140590xx97xxxx 移動性精巣　停留精巣　手術 60 3.30 3.13 0.00 1.97
060130xx99000x 胃食道逆流症　検査 34 3.18 7.42 0.00 6.82
070590xx99x0xx 血管腫・リンパ管腫　検査・治療 24 4.75 5.94 0.00 3.75
14044xxx99x0xx 便秘症　検査・治療 15 5.40 6.60 0.00 3.07
　小児外科では、0-15歳までの小児（新生児を含む）の心臓、脳以外のあらゆる臓器の外科疾患に対する診断と治療を行っています。
　主要疾患として、入院患者数が多いのは、鼠径ヘルニア・陰嚢水腫、次に移動性精巣・停留精巣です。これらは当科で最も手術件数の多い疾患になります。
　また、新生児外科症例は京滋地区で最多を誇っています。通常の新生児外科疾患のみならず、超低出生体重児に対する緊急手術や、多臓器に疾患を持つ重症患児に対しても、新生児科などと協力して専門的な医療を行っております。
　さらに消化器機能疾患に対する診断を行うことが挙げられます。胃食道逆流症および便秘症は小児において非常に多く、これらの検査入院が上位に挙がってきます。京滋で唯一、食道インピーダンスpHモニタリング、直腸肛門内圧検査や直腸粘膜生検などの特殊検査を施行する事ができる施設です。
　また、難治性疾患である血管・リンパ管奇形の治療にも積極的に取り組んでいます。従来の硬化療法に加ええ新しい治療薬である漢方薬やmTOR阻害剤などを使用し、全身に発症する可能性のあるこの疾患に対して、患者さんに応じた治療に取り組んでいます。
　さらに、当院は小児がん拠点病院に認定されており、入院が小児科主体のため計上はされませんが、小児悪性腫瘍患者に対する集学的治療の一環として外科治療も多数おこなっています。
小児心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
14031xx002x0xx 先天性心疾患（動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。）（1歳以上） ファロー四徴症手術等 手術・処置等２なし 35 24.80 26.27 0.00 7.51
050080xx01010x 弁膜症（連合弁膜症を含む。） ロス手術（自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術）等 手術・処置等１なし 手術・処置等２１あり 副傷病なし 15 26.47 23.77 0.00 42.60
14031xx102x0xx 先天性心疾患（動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。）（1歳未満） ファロー四徴症手術等 手術・処置等２なし 11 18.82 26.91 9.09 0.00
14031xx003x0xx 先天性心疾患（動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。）（1歳以上） 心室中隔欠損閉鎖術　単独のもの等 手術・処置等２なし - - 14.69 - -
14029xxx01x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 弁形成術等 手術・処置等２なし - - 15.79 - -
　小児心臓血管外科では、あらゆる先天性心臓疾患に対して、質の高い手術を行なっており、その対象年齢は生後間もない新生児から成人まで幅広くなっています。
　当院では重症度の高い疾患の割合が多いですが、平均在院日数は全国平均より短く、良好な手術成績をおさめています。
救急医療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 15 8.80 12.58 46.67 79.20
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 12 2.17 7.34 8.33 69.75
160800xx99xx0x 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 副傷病なし 12 2.17 14.43 100.00 85.58
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし 11 10.27 20.84 36.36 81.64
180010x0xxx0xx 敗血症（1歳以上） 手術・処置等２なし 10 10.90 19.29 20.00 79.60
　救急医療科では全診療科・各科専門医の常駐する総合病院での救急診療体制をとっています。当科では年齢や病態を問わず、幅広い医療の提供をしています。
　最も多い症例は腎臓または尿路の感染症で、次に頭蓋・頭蓋内損傷の順となっています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010310xx99x0xx 脳の障害（その他） 手術なし 手術・処置等２なし 13 19.31 10.26 0.00 68.46
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 手術・処置等１なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 9.76 - -
010155xxxxx00x 運動ニューロン疾患等 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 13.70 - -
070343xx99x00x 脊柱管狭窄（脊椎症を含む。）　腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等２なし 副傷病なし - - 12.16 - -
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄（脊椎症を含む。）　腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等２なし - - 16.54 - -
　リハビリテーション科では、急性期リハビリテーション治療を積極的に行っているのは勿論、自宅に戻った後の生活期の患者さんに対する入院治療も行っています。特に脳血管障害を有する生活期の患者さんにおいて問題となる、麻痺肢の痙縮や歩行障害、装具不適合に対して、入院で全身の評価・精査と障害の評価を行います。痙縮に対しては投薬治療に加え、ボツリヌス療法を行います。短期集中で行う訓練だけでなく装具の調整、新規製作も合わせて行い、家屋調査にも出向きます。現在の障害像に合わせて適切なリハビリテーション診断・治療を行うことで生活期のADL、QOLを最大限高めるよう努力しております。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 46 10 10 28 193 44 1 6,8
大腸癌 69 39 61 46 41 69 1 6,8
乳癌 87 61 15 14 19 14 1 6,8
肺癌 41 26 66 99 203 118 1 6,8
肝癌 18 20 11 6 5 149 1 6,8
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
　5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌及び肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病期分類別、及び再発に分けて集計した結果を表しています。
　UICC病期分類とは、UICC（国際対がん連合）によって定められた、癌の進行度の分類（ステージ）です。
　当院は都道府県がん診療連携拠点病院として、５つの癌について大きな偏りなく診療を行っています。なかでも肺癌の患者数が最も多く34.0％を占めており、昨年度に比べ23人の増加となっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
軽症 16 9.00 65.81
中等症 47 10.62 71.15
重症 18 14.67 80.28
超重症 3 24.67 82.33
不明 0 0.00 0.00
　成人市中肺炎とは病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎のことで、その重症度別に集計した結果を表しています。
　重症度が上がるのに比例して平均年齢が高くなる傾向があります。また、中等症の患者数が最も多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 116 20.97 72.27 37.40
その他 7 15.29 56.86 0.00
　脳梗塞の患者数を発症日から「3日以内」と「その他」にわけて集計したものです。発症から3日以内の症例が多く、急性期の患者さんを多く診療していることが分かります。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 324 0.11 1.00 0.00 66.93
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層） 196 0.99 5.22 0.00 71.58
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 156 1.26 7.54 3.85 69.63
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 147 1.13 4.33 0.00 69.18
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術） 82 1.00 5.18 0.00 70.45
　最も患者数が多いのは、内視鏡的大腸ポリープ切除術で、一般的にポリペクトミーと言われている治療で1泊2日の入院で行っています。続いて、早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）、膵癌や胆道癌に対する内視鏡的胆道ステント留置術、早期大腸がんに対するESD、早期食道がんに対するESDと、すべて悪性疾患に対する治療です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術（経皮的大動脈弁置換術） 150 7.64 9.74 28.67 85.65
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術（その他） 148 1.30 1.69 1.35 71.16
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術（心房中隔穿刺、心外膜アプローチ） 141 1.50 2.48 0.00 65.72
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 68 1.16 4.51 7.35 72.57
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 37 3.62 2.68 5.41 52.41
　診療方針は、ハートチームで多くの職種で意思決定しています。
　動脈硬化を主因とする冠動脈疾患、下肢動脈疾患へのカテーテル・ステント治療や、大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療は世界最高水準です。
　不整脈に対するカテーテル治療やペースメーカー治療も多くの症例を安全に治療しています。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ﾛ 造血幹細胞採取（末梢血幹細胞採取）（自家移植の場合） 16 14.31 5.00 0.00 59.94
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術（その他） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K6261 リンパ節摘出術（長径３ｃｍ未満） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K6262 リンパ節摘出術（長径３ｃｍ以上） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K711 脾摘出術 ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
　血液内科では、年間約20～30例の自家・同種造血幹細胞移植を行っております。また骨髄バンクの認定施設として、骨髄バンクドナーの幹細胞採取（骨髄採取、末梢血幹細胞採取）も実施しております。
　その他、診断や治療に必要な組織生検や手術的処置を各専門科の協力のもとで実施しており、当科の治療を安全かつ円滑に進められるように心がけています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 71 2.73 10.11 2.82 69.82
K529-3 縦隔鏡下食道悪性腫瘍手術 46 6.30 34.78 6.52 69.02
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 46 2.37 3.67 2.17 64.09
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術（低位前方切除術） 31 3.90 18.65 3.23 60.65
K655-22 腹腔鏡下胃切除術（悪性腫瘍手術） 28 2.36 10.21 0.00 65.68
　消化器がんの中で最も多い大腸がんに対して、90％以上の症例に腹腔鏡下手術を実施しており、直腸がんに対してはロボット手術も導入しています。食道がんに対しては非開胸の縦隔鏡下手術を積極的におこなっており、約95％で低侵襲手術を行っています。早期胃がんに対しては腹腔鏡やロボット手術を行っています。
　腹腔鏡下手術は一般的に傷が小さく、手術後の患者さんの負担が軽いとされています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5551 弁置換術（１弁） 35 12.40 21.29 17.14 72.29
K5612ﾛ ステントグラフト内挿術（１以外の場合）（腹部大動脈） 33 2.61 8.03 3.03 80.09
K5552 弁置換術（２弁） 24 9.00 34.17 37.50 75.38
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術（人工心肺不使用）（２吻合以上） 23 7.26 26.09 13.04 67.43
K5542 弁形成術（２弁） 17 7.76 19.12 17.65 69.59
　虚血性心疾患や弁膜症などの心臓の病気や、大動脈瘤や末梢血管など血管の病気を、外科的に治療しています。
　最も多いのは弁膜症に対する弁置換術や弁形成術などの手術です。
　弁膜症とは、心臓内に血液の逆流防止のためについている弁の疾患であり、これらに対して自己の弁を温存して治す弁形成術や、悪い弁を取り替える弁置換術を行います。当院ではできるだけ自己組織を温存する弁形成術を行い、これが困難な場合には人工弁を用いた置換手術を行います。
　2番目の治療は、大動脈瘤に対するステントグラフトによる治療です。
　大動脈瘤は、血液を全身へ送るパイプの役割をしている大動脈が瘤状にふくれる病気であり、ステントグラフトと呼ばれる、人工血管をたたんでカテーテルで瘤の部分に進め人工血管を広げる血管内治療を行っています。通常の開胸開腹手術と比較すると、鼠径部の小さな傷だけで行う事ができ、手術後の回復も早いため、高齢の方や合併疾患をお持ちの方にも行うことができます。若い体力のある方に対しては開胸開腹手術を行い、患者さんの状態に応じて最適な治療を選択します。
　4番目に多いのは狭心症・心筋梗塞に対して行う冠動脈バイパス手術で、これについてもできる限り人工心肺を用いずに心臓を止めずに行うバイパス手術を第一選択としています。
　このように、近年の高齢化・ハイリスク化に対応して、できるだけ患者さんの負担を減らす手術を心がけています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（肺葉切除又は１肺葉を超える） 75 2.16 7.59 1.33 71.19
K5143 肺悪性腫瘍手術（肺葉切除又は１肺葉を超えるもの） 22 2.77 11.73 4.55 68.55
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（部分切除） 21 2.29 6.67 0.00 66.33
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（区域切除） 19 1.79 8.16 5.26 71.47
K5131 胸腔鏡下肺切除術（肺嚢胞手術（楔状部分切除）） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
肺癌に対する標準術式である肺葉切除術のみならず、難易度の高い区域切除術も完全胸腔鏡下の低侵襲手術を遂行しています。
内分泌・乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術（乳房切除術（腋窩部郭清を伴わない）） 91 1.88 7.24 1.10 61.65
K4765 乳腺悪性腫瘍手術（乳房切除術・胸筋切除を併施しない） 40 1.55 8.93 0.00 56.53
K4762 乳腺悪性腫瘍手術（乳房部分切除術（腋窩部郭清を伴わない）） 38 1.79 4.37 0.00 62.82
K4768 乳腺悪性腫瘍手術（乳輪温存乳房切除術（腋窩郭清を伴わないもの）） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈，静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置（頭頸部その他に設置した場合） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
　内分泌・乳腺外科では乳房温存手術、乳房切除術を行っていますが、近年は人工乳房が保険適応になったことから、乳房切除術の割合が多くなっています。
移植外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 20 0.55 1.55 0.00 73.55
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 13 0.62 3.15 0.00 65.08
K6105 動脈形成術、吻合術（その他の動脈） 13 0.23 1.77 0.00 56.54
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側） - - - - -
　腎移植術以外に、膵臓移植術や一般外科として内視鏡を用いた鼠径ヘルニア修復術を行っています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術（乳房切除後） 23 1.00 6.17 0.00 51.04
K4073ｲ 顎・口蓋裂形成手術（顎裂を伴うもの）（片側） 13 1.00 7.08 0.00 9.46
K476-32 動脈（皮）・筋（皮）弁を用いた乳房再建術（乳房切除後）（二次的） - - - - -
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部）（長径２ｃｍ未満） - - - - -
K016 動脈（皮）弁術，筋（皮）弁術 - - - - -
　乳房再建・口唇口蓋裂形成などが主要手術疾患です。また、耳、手指・足趾など、あらゆる先天性疾患の手術に対応しています。可能なかぎり、整容・審美的な改善になるよう配慮しています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術（その他） 60 8.97 31.58 33.33 51.82
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 26 1.00 11.65 19.23 75.27
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 16 3.88 7.50 6.25 74.25
K1742 水頭症手術（シャント手術） 14 11.50 20.93 42.86 46.57
K1781 脳血管内手術（１箇所） 12 8.25 10.00 16.67 67.00
　脳神経外科ではグリオーマや転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍、また髄膜腫や神経鞘腫といった良性脳腫瘍に対し、ナビゲーションシステムや電気生理学的モニタリング、さらには覚醒下手術などの最先端治療技術を駆使し、確実な外科治療を行っています。高齢者に多い慢性硬膜下血腫については、局所麻酔下で低侵襲に手術を行っています。頚動脈ステント留置術をはじめ、コイル塞栓術や血栓回収術といった脳血管内手術には、専門医資格と豊富な経験を有するスタッフが24時間体制で対応しています。水頭症については、新生児から超高齢者まで幅広い年齢層に対し、脳室腹腔シャント術や腰椎腹腔シャント術、また内視鏡下第3脳室底開窓など様々な術式を駆使することで良好な治療成績を得ています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術（肩，股，膝） 161 1.68 22.50 12.42 70.39
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術（椎弓形成） 61 2.05 18.48 16.39 70.77
K0542 骨切り術（前腕，下腿） 50 1.04 27.14 2.00 61.60
K066-21 関節鏡下関節滑膜切除術（肩，股，膝） 35 1.00 6.69 0.00 44.49
K110-2 第一足指外反症矯正手術 32 1.38 23.22 0.00 62.94
　変形性関節症（肩、股、膝関節）に対して機能再建を目的とした人工関節置換術の豊富な症例数があります。また、関節疾患の病状に応じて、関節の温存を目的とした様々な骨切り術や関節鏡を用いた手術も行っています。脊椎疾患に対する手術では、内視鏡や顕微鏡を用いた低侵襲手術やコンピュータナビゲーションシステムを用いた手術など、安全で精度の高い除圧術や固定術を行っています。変形が高度な外反母趾に対しては矯正手術を行っています。悪性骨軟部腫瘍に対しては効果的な手術療法と化学療法、放射線療法を組わせた集学的治療を行い、患肢温存と生存率において良好な治療成績を上げています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡） 95 0.99 4.33 0.00 40.21
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 71 1.06 4.52 0.00 48.13
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出（核出）術 40 0.98 4.20 0.00 37.43
K867 子宮頸部（腟部）切除術 33 1.00 1.58 0.00 37.03
K879 子宮悪性腫瘍手術 26 1.15 11.38 0.00 58.35
　子宮内膜症（子宮付属器摘出術や子宮全摘術）に対する腹腔鏡下手術が上位を占めております。腹腔鏡下手術は当科の特色の一つです。他院では困難と思われる症例でも積極的に腹腔鏡手術を行っており、良好な治療成績を得ています。
　また晩婚・晩産化に伴い、子宮の温存を希望する症例が増えています（子宮筋腫核出術）。子宮悪性腫瘍（子宮頸癌・子宮体癌）についても紹介例が徐々に増加傾向です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ﾛ 水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他のもの） 316 0.92 1.08 0.32 73.28
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む） 296 0.41 5.74 0.68 61.67
K2683 緑内障手術（濾過手術） 156 0.90 9.88 0.00 69.36
K2682 緑内障手術（流出路再建術） 110 0.66 1.75 0.00 66.57
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術（その他） 98 0.63 4.00 1.02 65.05
　白内障手術は我が国でもっとも件数の多い手術です。当院では多くが入院でなく通院手術でおこなわれています。白内障手術後には眼内レンズを目にいれて焦点をあわせます。多焦点眼内レンズや乱視矯正眼内レンズを用いた手術もおこなっています。
　角膜手術、緑内障手術、網膜硝子体手術、斜視手術、眼形成手術などすべての分野において、トップレベルの手術が施行できています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術（単純切除） 114 1.18 4.97 0.00 73.47
K013-21 全層植皮術（２５ｃｍ２未満） 14 1.21 9.21 0.00 72.86
K0132 分層植皮術（２５ｃｍ２以上１００ｃｍ２未満） - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部）（長径２ｃｍ以上４ｃｍ未満） - - - - -
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部以外）（長径６ｃｍ以上１２ｃｍ未満） - - - - -
　毎年100例を超える皮膚がん手術（皮膚悪性腫瘍切除術、四肢・躯幹軟部悪性腫瘍切除術、女子外性器悪性腫瘍切除術等）を行っています。一番症例数が多かった皮膚悪性腫瘍切除術（単純切除）には、センチネルリンパ節生検や植皮術、皮弁作成術を同時に行った症例が含まれています。また、熱傷や外傷、難治性皮膚潰瘍に対する植皮術も数多く行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 141 0.06 0.99 0.00 72.00
K8036ｲ 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用のもの） 94 2.16 4.01 0.00 74.23
K773-4 腎腫瘍凝固・焼灼術（冷凍凝固） 37 3.97 4.92 0.00 71.38
K773-5 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる） 34 2.79 8.65 0.00 58.94
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる） 34 1.18 14.88 0.00 68.24
　前立腺癌に対しては患者さんの全身の状態や癌の状態を考慮し、ロボット支援手術のみならず、陽子線治療も積極的に施行しています。膀胱腫瘍については、低侵襲的な内視鏡下切除術による臓器温存を、腎腫瘍に対しては、最先端のロボット支援による部分切除手術、および、さらに低侵襲な経皮的腎腫瘍の凍結治療を、積極的に取り入れ、京都府下のみならず、広く関西圏からも、これらの体に優しい腎機能温存治療を目的に紹介患者が多数希望されています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術（摘出） 36 1.00 6.03 0.00 28.17
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術（切除） 34 1.50 7.03 0.00 57.32
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術） 27 1.00 4.96 0.00 57.11
K3892 喉頭・声帯ポリープ切除術（直接喉頭鏡又はファイバースコープによるもの） 21 1.00 2.62 0.00 50.29
K4151 舌悪性腫瘍手術（切除） 21 2.43 9.33 0.00 66.81
　舌癌の手術、甲状腺癌の手術は頭頸部にできる悪性腫瘍手術としては最も多く、専門病院として機能温存を期して手術治療をおこなっています。
　副鼻腔内視鏡手術は主に副鼻腔炎に対する低侵襲手術であるが、時として発生する鼻副鼻腔悪性腫瘍に対しても機能温存の観点から施行可能です。
　扁桃摘出は耳鼻咽喉科の基本的術式です。
　声帯の手術は慎重かつ的確な手術操作が必要で、手術顕微鏡を用いて行います。高いレベルの手術手技を施行しています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術（仮死第１度） 18 0.00 31.72 22.22 0.00
K5621 動脈管開存症手術（経皮的動脈管開存閉鎖術） - - - - -
K6153 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（その他のもの） - - - - -
K9132 新生児仮死蘇生術（仮死第２度） - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈，静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置（頭頸部その他に設置した場合） - - - - -
　当大学は京都の心臓病患者の診断・治療を一手に引き受けており、小児心臓血管外科との共同診療体制により、先天性心疾患においては全国的にもトップクラスの治療成績をあげています。令和元年（1/1～12/31）の心臓カテーテル検査件数は、診断カテーテル 139件、カテーテル治療 52件、うち経皮的動脈管開存閉鎖術は8件でした。また、令和元年の当院における手術総数は138件であり、主な対象疾患としては、心室中隔欠損症 23,ファロー四徴症 6, 両大血管右室起始症 6, 肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損症 6, 房室中隔欠損症 5, 単心室 10, 左心低形成症候 7であり, 体動脈肺動脈短絡手術（ブラロック手術）は5件でした。他大学・医療機関からの紹介によって、近畿圏は勿論、全国から患者様を受け入れており、今後も患者数の増加が見込まれます。
　当院新生児集中治療室(NICU)では、年間約200人の入院患者を受け入れています。出生時体重を問わず入院の受け入れをしており、特に先天性疾患、染色体疾患などの当院でしか対応できないような重症新生児を、小児科だけでなく小児外科、小児心臓血管外科、脳神経外科、整形外科、泌尿器科、形成外科などと連携して、新生児の集中治療・管理を行っています。早産、低出生体重児、先天奇形症候群などのハイリスク新生児においては小児科医が24時間体制で分娩に立ち会い、新生児仮死に対して出生後の速やかな新生児蘇生を行い、その後の新生児集中治療室(NICU)での入院管理を行っています。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 58 1.03 1.09 0.00 3.64
K836 停留精巣固定術 55 1.09 1.15 0.00 2.24
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側） 25 1.00 1.24 0.00 6.48
K6333 臍ヘルニア手術 13 1.00 1.00 0.00 2.31
K7151 腸重積症整復術（非観血的なもの） 12 0.08 5.42 0.00 1.42
　小児外科における主要手術は、鼠径ヘルニアに代表される日常的に小児に見られる疾患に対する手術で、年間手術数の約1/3を占めます。
　鼠径ヘルニアに対しては、開放手術であるポッツ法及び腹腔鏡手術をおこなっています。停留精巣、臍ヘルニアに対する手術、腸重積症に対する高圧注腸整復など、侵襲が少なく安全で短期間の入院となるように務めています。
　また、新生児手術件数、小児腫瘍手術件数はそれぞれ京滋最多を誇っており、緊急手術に対しても24時間365日体制で様々な小児症例に対応しています。
小児心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5541 弁形成術（１弁） 13 2.92 11.31 0.00 6.54
K5862 単心室症又は三尖弁閉鎖症手術（フォンタン手術） 10 7.30 19.60 0.00 3.70
K5702 肺動脈狭窄症手術，純型肺動脈弁閉鎖症手術（肺動脈弁切開術（右室流出路形成又は肺動脈形成を伴うもの）） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K5542 弁形成術（２弁） ‐ ‐ ‐ ‐ ‐
K5551 弁置換術（１弁） - - - - -
　小児心臓血管外科において、先天性心疾患に対する心臓手術の内訳は、軽症から重症度の高い複雑心奇形手術まで、また新生児から成人に至るまで万遍なく、幅広い術式に及んでいます。その多くは術後約２週間で自宅退院され、良好な手術成績をおさめています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（その他のもの） 10 0.80 1.70 0.00 74.40
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 - - - - -
K6152 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（選択的動脈化学塞栓術） - - - - -
　内臓動脈瘤や動静脈奇形に対する血管塞栓術を行なっています。
　腹部腫瘍の粒子線治療用の金属マーカー留置を行なっています。症例ごとに安全かつ確実に留置できる方法を検討し、最適な方法で留置を行っています。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 8 0.05
異なる 30 0.19
180010 敗血症 同一 28 0.18
異なる 23 0.14
180035 その他の真菌感染症 同一 4 0.03
異なる 5 0.03
180040 手術・処置等の合併症 同一 107 0.67
異なる 4 0.03
　DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の患者さんの人数と発生率を表したものです。入院の契機となった病名と、医療資源を最も必要とした病名が同一か否かに分類して集計しています。
　いずれのDPCも発生率は1％以下です。
　手術・処置等の合併症の内訳の上位3分類は、処置に続発する感染症、他に分類されないものが最も多く21症例、体内関節プロステーシスの機械的合併症が17症例、心臓及び血管のプロステーシス、挿入物及び移植片のその他の明示された合併症が14症例となっています。
更新履歴
2020年9月30日
初版掲載
2020年10月16日
コメント修正