放射線診療は、放射線治療、Interventional Radiology、診断の3部門から構成されています。
1.放射線治療
放射線治療は頭頸部癌、肺癌、乳癌、食道癌、前立腺癌などを中心に全身のあらゆる部位 の悪性腫瘍に対する治療を行っています。当施設では2台のリニアック装置を使用して、毎日50名〜70名の放射線治療を行い、年間の新患者数は440例以上です。地域の中核を担う大学病院として他科と連携して入院加療も行っています。CT画像を用いて多門照射などの治療計画を行い、前立腺癌などでは副作用 をほとんど生じることなく治療が可能です。乳癌では温存術後の再発予防を目的とした照射、頭頸部癌、食道癌・肺癌などでは根治的な治療を目的とした照射で 化学療法との併用を行い治療効果の向上を目指しています。また、転移性骨腫瘍などに対する緩和医療にも積極的に取り組んでおり、QOLの向上を目指してい ます。平成17年度からは泌尿器科と共同で前立腺癌に対するヨードシーズ小線源による組織内照射を開始しています。
平成18年4月より新型の放射線治療装置とCTシミュレータが稼動し、今後体幹部定位照射など高精度治療を開始予定です。関連施設との連携を通 じてより侵襲の少ない効果的な放射線治療を目指しています。
2.Interventional Radiology (IVR治療)
2000年の血管造影検査数は378件で、そのうち治療を行ったものが179件です。116件は当科入院で行われています。肝腫瘍では血管造影検査時に 同時にCT検査も行い、治療方針を決定します。肝癌の場合、塞栓術だけでなく経皮的エタノール注入やリザーバー動注療法を併用し総合的に治療を行い、転移 性肝癌に対するリザーバー留置も年間20例程度行っています。閉塞性動脈硬化症や腎動脈狭窄に対する経皮的血管内血管形成術、ステント留置にも力を注いで います。血管内超音波を併用し、狭窄部位 の観察を行った後にバルーン径、ステント径を決定します。その他、胃静脈瘤に対するバルーンを用いた静脈瘤塞栓術、門脈圧亢進症に対する肝内門脈短絡術、 耳鼻科及び婦人科領域の動注療法等も行っています。CT透視下の肺生検も行っており、1cm程度の小さな病変も穿刺可能です。
種々の臓器における悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法(RFA)にも力を入れており、特に胸部悪性腫瘍に対するRFAは先進医療として数多くの症例を重ねているところです。
3.画像診断
X線CTとMRIを用いた断層画像診断は今日の放射線診療の中心であり、全身のあらゆる部位の器質的疾患(腫瘍、炎症、外傷、血管性病変など)の診断が 可能です。最近は臓器の形態のみならず機能の測定も可能になってきています。撮影方法や造影方法の工夫により短時間で侵襲の少なく、かつ診断価値の高い画 像が得られています。当科では、X線CT3台、MRI2台をはじめとして最新の装置を用いて検査を迅速に行い、治療方針決定に寄与する診断レポートを作成 しています。
核医学検査は、放射性医薬品を体内に投与し、その分布状態から代謝や機能の評価を行う検査です。生体において非侵襲的にそれらを測定できることが大きな 特徴で、当科では3台のガンマカメラにより、腫瘍や心臓、脳、内分泌、腎、肺、消化器など多岐にわたる検査を施行しています。また、甲状腺癌などに対して アイソトープ治療も行っています。